ヘビの楽園とヤマカガシ

猛暑が続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。真夏のマスク生活のせいか毎日顔が痒い獣医師の小島です。
今回はヘビにまつわるお話として、JSCとヤマカガシについて軽くご紹介したいと思います!

まずJSCとは、群馬県にあるジャパンスネークセンターという施設です。
ここでは世界各国のヘビ達が40種以上約200匹も展示されており、様々な表情のヘビ達に出会うことができます!動物園の一角にある爬虫類コーナーで長々とヘビを眺める私のようなヘビ好きには楽園そのもの。中でも世界最大の毒ヘビ・キングコブラの展示は人気があるようです。私が訪れた時には運良く威嚇する姿を目撃することができました。

ちなみにコブラ科のヘビ毒は神経毒という種類で、我々は咬まれると最終的に呼吸困難で絶命します。その他にも皮膚の壊死作用、心臓の動きを止める作用など様々な作用があります。
JSCを管理する日本蛇族学術研究所ではヘビ毒の研究がされているため、こういったヘビ毒について楽しく学ぶことができます!是非世間が落ち着いたら行ってみて下さいね。
またここは日本で唯一、ヤマカガシというヘビの毒に対する血清を開発し保有する貴重な施設でもあります。

ここからはヤマカガシのお話です!
北海道には生息していませんがヤマカガシは北海道以外の地域に広く生息し、マムシの数倍強い毒をもつ危険なヘビです。ヤマカガシには2種類の毒があります。

・ヒキガエルを食べることで得られ、頸部に貯蓄し自身を防御するための毒
・自身で生成し、奥歯から獲物に注入する狩りのための毒
後者が猛毒になります。

ヤマカガシは臆病で、何もしなければ向こうから攻撃してくることは少ないと言われています。よって大人よりも好奇心旺盛な子供が咬まれる傾向にあります。今のように暖かい季節だとヘビとの遭遇率も高くなるので注意が必要です!
野生のヘビの種類判別は難しく、特にヤマカガシは地域によって体色や模様が異なり非常にやっかいです。どんなに美しいヘビを見かけても野生のヘビは遠くから見守るのが一番ですね!

北海道にもヤマカガシはいないもののマムシはいますので、野外でヘビに咬まれた時は人間の病院へすぐに相談しましょう。

この記事を書いた人

獣医師 蒲原(小島)
大学の時に行ったエキゾチックアニマルのイベントがきっかけでヘビが大好きになりました。実際にヘビを飼育することで、犬や猫に加え爬虫類や他エキゾチックアニマルの診療を幅広くしたいという想いがより強くなっていきました。
獣医師としてまだ駆け出しですが、精一杯勉強して多くの患者さんの助けになれるよう頑張ります。

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