イグアナの皮下膿瘍切除

今回ご紹介するのは、グリーンイグアナのイギーちゃん。

腕にしこりがある、腫れているとのことで来院されました。
皮膚の下にしこりがある場合、は虫類でも基本的には腫瘍なのか、膿なのか、判断してから治療方針を立てていきます。
針を刺して細胞を取ってみると、どうやら膿である様子。

は虫類の膿は、私たちと違い、非常に硬くなってしまうため、一度出来てしまうと外科手術をしないとほとんどの場合治りません。
イギーちゃんも、投薬ではあまり治療反応がみられなかったため、手術となりました。
まずは鎮静剤を注射し、その後骨の中に点滴のラインを確保、さらに麻酔薬を使用し、充分に眠ってもらってから手術の開始となります。

前肢の皮膚を切開して、取り出したモノがこちらです。幸い、他の組織からはきちんと分離して取り出すことが出来ました。
取り出した膿瘍を、切開してみると・・・中には緑色をした液体状の膿瘍が見えますね。
このように、は虫類では膿瘍のカベが分厚くなっている事が多いです。
トップ画像は、麻酔の覚醒を待っているイギーちゃん。麻酔から起きるまで結構時間がかかってしまいましたが、その後無事ご帰宅されました。

ちょっとシャイな(?)イギーちゃんでしたが、治療時にはおとなしく協力してくれました。
その後、傷の治りも問題無く、治療を終える事が出来ました。
寒い時期に、遠方からのご来院お疲れ様でした。今後も元気でいてくれる事を祈っています!

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

関連記事

  1. 第2回ヘビのお迎え前に考えること

  2. ニシアフリカトカゲモドキの食欲不振

  3. ハリネズミの血尿?

  4. 骨折猫のモグちゃんのお話(手術画像あり)

  5. ウサギの気管内挿管

  6. 爬虫類、お迎え当日の過ごし方

最近の記事

PAGE TOP