フェレットの副腎腫瘍

こんにちは、最近フェレットにうんちをされてしまいソファーを捨てた獣医師の小島です。

今日はうちで飼っているフェレットの話をしていきます!

雌、もうすぐ6歳のあずきです。

最近起こった体調の変化を紹介していきます。

元々小柄で体重は700g程度でしたが、近頃非常によく食べるようになり、頸部と、特に腹部には立位で床に接するほどの脂肪が付いてしまい、1.2kgまで増量しました。

フェレットは冬季に30〜40%程体重が増えることがありますが、実際あずきはその幅を超えてしまってますね。

お腹が重く、歩行時に後肢が滑りやすくなり活動性が低下してしまいました。レントゲンの1枚目は2年程前のもので、2枚目が最近のものです。脂肪の量がすごく増えました。

高齢であることも一因として考えられますが、被毛がやや粗剛になり、皮膚にフケがみられます。

体臭も以前より強くなりました。

また昨年には陰部が腫れて膿が出る子宮断端膿瘍を発症し、抗生剤で症状は落ち着いています。

健康診断としてエコー検査を定期的にしていましたが、この数ヶ月は片則の副腎の拡大が見られました。

先ほどまで挙げてきたあずきに起こった症状は副腎腫瘍で起こることがある症状です。よってエコー所見と臨床症状より、副腎腫瘍が疑われます。

副腎腫瘍に関しては以前にもブログに上がってますので是非ご一読ください!フェレットに多い病気③

脱毛が起きるという印象をお持ちの方は多いと思いますが、その他にも様々な症状が起こり得ます。皮膚の大きなフケや、体臭、メスの外陰部の腫脹やおりものなど。今回の様に多食も起こることがあります。

もちろんどの症状についても、これがあったから副腎腫瘍!というわけでは全くないですが、日頃からよく観察し、定期的にエコー検査やレントゲンなど健康診断を受けると良いですね。

特に皮膚自体の異変は案外気づきにくいです。

あずきは高齢のため、体の負担を考慮し外科手術ではなく内科療法で1ヶ月に一回、性ホルモンを抑える注射をしていくことにしました。

当該注射は腫瘍の増殖を抑えるわけではないため、長期で使用していくと徐々に効果が薄くなることがあります。

現時点ではあずきは多食しなくなり、お腹の脂肪が落ちていき活動性が少し上がっています。

元気に過ごしていきたいですね!

この記事を書いた人

獣医師 蒲原(小島)
大学の時に行ったエキゾチックアニマルのイベントがきっかけでヘビが大好きになりました。実際にヘビを飼育することで、犬や猫に加え爬虫類や他エキゾチックアニマルの診療を幅広くしたいという想いがより強くなっていきました。
獣医師としてまだ駆け出しですが、精一杯勉強して多くの患者さんの助けになれるよう頑張ります。

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