診療内容
半導体レーザーによる治療
半導体レーザーによる
動物に「やさしい」これまでにない治療
動物にやさしい治療
当院では半導体レーザー治療機を導入しています。半導体レーザー治療は人の医療でも広く使われている治療です。痛くない手術・副作用がないがん治療・リハビリテーション・自己回復力の向上、と様々な用途で用いています。特に小さな動物の手術時や、各種動物の癌治療において威力を発揮します。
半導体レーザーの作用は大きくわけて3つあります。
1. 鎮痛効果
2. 炎症抑制効果
3. 創傷治癒の促進
2. 炎症抑制効果
3. 創傷治癒の促進
さらにレーザーの特性を利用し、
1. レーザーメスによる外科手術
2. 緑内障の治療
3. 副作用の無いがん治療
というこれまでにない治療が実施できます。
2. 緑内障の治療
3. 副作用の無いがん治療
関節炎や椎間板ヘルニアに対しての消炎・鎮痛治療
関節炎などの急性の痛みに対しては、通常消炎鎮痛剤などの内服・注射薬を使用します。しかし高齢であったり、腎臓や消化器に障害がある場合には副作用が強く出る可能性もあり、積極的に使用できない事もあります。半導体レーザーには副作用はありません。レーザーというと熱いのでは?と思われるかもしれませんが、ほんわか暖かい程度ですので動物たちにも負担はありません。ハムスターや小鳥、は虫類などの小動物にも使用できます。レーザー治療単独はもちろん、これまでの内服薬と併用することでより効果を発揮します。
創傷の治療・手術創の回復促進
半導体レーザーは、照射した部位での血管新生を促進し、感染を抑制し、上皮化を促進します。外傷や皮膚の重度感染により大きく皮膚が欠損した場所に照射することで、傷を早く治す効果があります。当院では全ての外科手術において、術後に半導体レーザーを照射しています。これにより、手術創の早期治癒だけでなく、鎮痛効果も得られます。
鼻炎・気管支炎に対しての治療
通常、鼻炎や気管支炎に対しては抗生剤や消炎剤による治療が主体となりますが、それらの治療が奏功しない、慢性の鼻炎や気管支炎に対して、半導体レーザーによる治療を実施する事で劇的な改善がみられるケースが多くあります。治療初期には週に1〜2回のレーザー照射が必要となりますが、症状の緩和に合わせて徐々に頻度は減らしていくことができます。
痛みと出血の少ない、レーザーメス
レーザーメスは、金属メスや一般的な電気メスにくらべ、痛みを押さえた手術が可能です。熱損傷が少ないことから、術後の傷の治癒も早く、動物のストレスを最小限に抑えることができます。また、止血をしながら切開していく事ができるため、手術時間が大幅に短縮できるようになりました。先端のアタッチメントを変更する事で、大型犬から極小動物(ハムスターや小鳥など)まで対応できます。 専用のバイポーラ(ピンセット型レーザーメス)を用いることで、血管を糸で結紮せずに止血し切開することもできます。
特にうさぎやハリネズミの子宮卵巣摘出の手術時には、これまでと比較にならないほど安全・迅速に手術ができるようになり、手術後の回復が劇的に早まりました。
緑内障の治療
急性の緑内障の場合、特に視力が残っている場合にはいかに眼圧を低下させた状態で維持できるかがポイントとなります。点眼での治療や眼圧降下剤の静脈内投与、それでも管理ができない場合専門病院での緑内障手術が必要となります。手術ともなると費用の問題と、専門病院を改めて受診していただく時間的な問題が発生します。緑内障は、眼房水の循環が悪化することで、眼圧が上昇する病気です。半導体レーザーの波長は、眼房水を産生する毛様体に良く吸収されるため、目にメスを入れること無く眼房水の産生を止める事ができます(経強膜毛様体レーザー凝固)。全身麻酔は必要となりますが、失明を防ぐためにはできる限り早期にレーザー治療を行う事が重要となります。
体表腫瘤に対しての治療
体表の腫瘤が大きくなることで、表面から出血を起こし動物の生活の質が下がってしまうようなケースでは、レーザーによる腫瘍の蒸散・凝固により対応します。ほとんどの動物で無麻酔での治療ができるため、全身麻酔ができないような状態でも腫瘍治療が行えるようになりました。
下の写真は、セキセイインコの尾脂腺腫瘍をレーザーにて蒸散・凝固した前後の写真です。