ウサギの後肢麻痺

こんにちは、バレンタイン催事のチョコを買いに行くのが楽しみな獣医師の蒲原です。皆様はチョコ、食べてますか?うっかりペットに食べられないよう気をつけましょうね…

今回は患者さんの紹介です。


ウサギのななおちゃん、脊椎の骨折をきっかけに両側後肢の麻痺があります。
後肢に麻痺がある場合、どうしても排泄物に皮膚が接触してしまうことや、床と足が擦れてしまうことで炎症や傷になってしまうことがあります。加えて、麻痺を起こした足を咬んでしまう自咬症を起こす場合もあります。

痛そうですね。向かって左がななおちゃんの右側の精巣ですが、大きなかさぶたが付いています。左側の精巣もかさぶたが付いており大きく腫れています。

2枚目の時は治療開始後です。精巣の腫れは引きましたが周囲の皮膚に強い炎症が出始めました。この頃から足も咬んでしまう傾向がありました。

こういった場合、毛によごれがついてしまい取れなくなることもあるため、毛を少し刈ることがあります。ななおちゃんも毛を刈り、傷が重度な状態の時は内服薬を飲んでいましたが、基本的には消毒と保湿を毎日ご自宅でたくさん頑張ってもらいました。また、足を咬んでしまうことに対してはネッカーと足の包帯の併用で対処しました。


ネッカーはどうしてもストレスになる可能性があるため、様子を見ていられるときには一時的に外したり、ネッカーではなくオムツを試したりしていました。

飼い主様のご理解・ご協力、そしてななおちゃんの頑張りで皮膚は非常に綺麗な状態になりました!以下、消毒液でやや毛が濡れていますが皮膚の状態です。

後肢麻痺ではなくても、高齢で足腰が弱くなってくるとどうしても足やお尻が汚れたりかぶれてしまうと苦戦されているうさちゃんも多いです。
ここまできれいに治ってくれて私達も喜ばしい限りです。また、足の先を包帯ではなく靴下のような形状のものにしておられました。当院では靴下は残念ながら取り扱いがないのですが、ご家族の皆様の素敵なアイデアによってよりストレスフリーにケアできているようです。

同じ症状で悩まれているウサギちゃんがいましたら是非ご相談下さい。

ななおちゃん、よかったね!

この記事を書いた人

獣医師 蒲原(小島)
大学の時に行ったエキゾチックアニマルのイベントがきっかけでヘビが大好きになりました。実際にヘビを飼育することで、犬や猫に加え爬虫類や他エキゾチックアニマルの診療を幅広くしたいという想いがより強くなっていきました。
獣医師としてまだ駆け出しですが、精一杯勉強して多くの患者さんの助けになれるよう頑張ります。

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