動物の換毛期に気をつけること

こんにちは、最近温かいお茶が個人的なブームを迎えている獣医師の蒲原です。
外気温が一気に下がりましたが、水筒に入れるお茶を温かいものに変えただけで以前より体の調子が良いような気がしています。

今回は換毛期についてです。
毛が生えている動物達には換毛期という、毛が大幅に生え変わる時期がありますね。大体が季節の変わり目である春や秋に起こるとされています。環境や個体、動物の種類によっては年に2回以上起こることもあります。

基本的に換毛期に気をつけたいことといえば、グルーミングによって大量の毛を飲み込んでしまうことです。

ウサギではよく『毛球症』と呼ばれ、体毛を大量に飲み込むことで便が出づらくなったり食欲が低下する病気があります。場合によっては開腹手術をしなければいけないほどに詰まってしまう症例もいます。こういったことはウサギだけに起こるものではなく、チンチラやフェレットなど他の動物でもありえるものです。
できることならブラッシングをし、抜けている毛を飲み込んでしまう前に除去してあげたいですね。

もしもブラッシングが難しい場合は、飲み込んだ毛を便に出しやすくするお薬もあるのでご相談下さい。

また、換毛期には部分的にかなり脱毛が見られることがあります。

鼻の上が脱毛しています。頭頂部と顔まわりも毛が少ないです。後ほどふさふさになった写真が出ますので比べてみてください。

首元と頭部です。
首元はわかりずらいですが、頭部は明らかに脱毛していますね。ただ、まだらに発毛があり、完全につるつるではないです。

なにか皮膚病があるんじゃないかとやや不安になる見た目をしていますが、個体によっては換毛期にここまでの見た目になります。脱毛を発見した時、もし換毛期であり痒みなど症状がなければ少し経過をみてもいいかもしれません。もちろん来院できる場合は、皮膚検査にて寄生虫や真菌感染がないかを調べて否定しておくとより安心です。また副腎腫瘍など、全身的な脱毛がある場合は手術になる病気もあるので、脱毛が進行していく場合はご相談くださいね。

しばらくして生え変わりが完了したときの様子です。ふさふさになりました。

換毛期、ブラッシングをしながら体のいろいろな場所をチェックしてみるといいと思います。

この記事を書いた人

獣医師 蒲原(小島)
大学の時に行ったエキゾチックアニマルのイベントがきっかけでヘビが大好きになりました。実際にヘビを飼育することで、犬や猫に加え爬虫類や他エキゾチックアニマルの診療を幅広くしたいという想いがより強くなっていきました。
獣医師としてまだ駆け出しですが、精一杯勉強して多くの患者さんの助けになれるよう頑張ります。

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