ヘビの下痢(クリプトスポリジウム感染症)

皆さんこんにちは、最近通勤中に派手に転んだ獣医師の小島です。雪がすごいですね。

今回は私が飼っているヘビに起こったことついて紹介します。

1歳2ヶ月のコーンスネークです!お迎えしてからは5ヶ月が経ちました。

大体週に2回〜1回の給餌、排泄や脱皮・活力も問題ありませんでしたが、あるとき給餌から2日後に吐き戻しをしてしまいました。

そのさらに翌日にはクリーム色の下痢。コーンスネークなどのナミヘビは、正常な便でも他の種のヘビに比べて軟らかい傾向がありますが、形のないどろどろの激しいものでした。

早速下痢便をラップに包み、下痢便と共に出勤、便検査しました。

結果としてはかなり多くのクリプトスポリジウム感染が認められました。

クリプトスポリジウムに関してはヒョウモントカゲモドキの症例が過去にも記事になっていますのでご覧ください。

これがその便です。ピンクの丸いものがクリプトスポリジウムのオーシストといって、卵のような状態です。たくさんありますね…

口からこれらが入ると腸内で成長し繁殖、そしてまた便からオーシストを排出します。

人間にも感染することで有名ですが、爬虫類に感染する種類のクリプトスポリジウムが人間に感染する例は少ないと言われています。

あらゆる消毒薬に耐性を示すため、ケージなどを熱湯に浸して消毒する必要があります。

しっかり下痢便を処理し、対症療法や抗生剤を使って回復を待ちます。一見元気ですが、拒食をしたり急変してしまう可能性もあり油断のできない怖い病気です。

口から薬を入れている様子です。

現在も治療中、なんとか回復してくれることを祈るばかりです。がんばれ!

※院長注:ヘビのクリプトスポリジウム症は、ヘビでは比較的多く発生します。食欲不振や嘔吐、下痢、なんと無く元気がない、という症状がある場合に、疑われる疾患です。
検査は、今回の様に便検査で検出する場合と、胃にチューブを通してサンプルを採って検査する場合があります。
上記の様な症状がみられたら、まだ元気でも早めの受診をおすすめします!

この記事を書いた人

獣医師 蒲原(小島)
大学の時に行ったエキゾチックアニマルのイベントがきっかけでヘビが大好きになりました。実際にヘビを飼育することで、犬や猫に加え爬虫類や他エキゾチックアニマルの診療を幅広くしたいという想いがより強くなっていきました。
獣医師としてまだ駆け出しですが、精一杯勉強して多くの患者さんの助けになれるよう頑張ります。

関連記事

  1. カメの卵管脱手術

  2. デグーをお迎えするための準備

  3. ヒョウモントカゲモドキの卵塞

  4. ヘビのお迎え前に考えること

  5. 動物の分類について

  6. イグアナの皮下膿瘍切除

最近の記事

PAGE TOP