爬虫類の痛風

ついにばっちり雪が積もりました。
飼い主様の来院は大変になると思いますが、スキー場の多くもオープンしているので私と子供たちはワクワクしています。

今回は爬虫類の痛風に焦点をあてたブログを書いてみました。
痛風や疑似痛風は爬虫類にとって深刻な健康問題となり得ます。このブログでは、これらの病状の原因、症状、診断方法、治療オプション、そして予防策について詳しく解説します。

痛風と疑痛風とは何か?

痛風と疑痛風は、爬虫類の病気の中でも知っておくべき大事な病気です。痛風は人間と同じく、血中の尿酸過剰によって引き起こされ、組織や関節に尿酸の結晶が堆積することで炎症や痛みを引き起こします。偽痛風は真の痛風と似ていますが、カルシウム結晶の蓄積によって引き起こされる点が異なります。

原因と発症リスク

爬虫類の痛風や疑痛風は、主に以下の要因によって起こります。

  • 高タンパク質の食事: 特に昆虫や缶詰の犬や猫の食品を与えられる爬虫類に多く見られます。
  • 脱水: 水が汚れていたり、与え方が間違っている場合に起こります。
  • 腎臓の病気: 腎臓が尿酸を適切に排泄できない場合、高尿酸血症を引き起こします。

どんな症状がでるの?

痛風や疑痛風の症状は徐々に現れるため、飼い主が気づくのは病状が進行してからのことが多いです。主な症状には以下のようなものがあります。

  • 沈鬱や体力低下
  • 体重減少や脱水症状
  • 食欲不振
  • 関節の腫れや結節の形成

診断と治療

痛風や疑痛風の診断には、詳細な経歴と飼育状況の確認、身体検査、血液検査、レントゲン検査が必要となります。治療は脱水の修正、腎臓の機能回復の支援、血液中の高尿酸濃度の低下、タンパク質の量の調整、痛みの軽減を中心に行って行きます。
しかしながら一度痛風が発症してしまうと、完治するのは難しいため、支持療法が中心となります。

腎障害の治療のため骨髄留置を確保

予防策

これらの疾患を予防するためには、以下の点に注意する必要があります。

  • 適切な水の供給
  • バランスの取れた食事
  • 適切な熱と湿度の環境
  • 適切な照明とカルシウムの補充

まとめ:
爬虫類の痛風や疑似痛風は、適切なケアと注意によって予防や管理が可能となります。
特に!脱水、不適切なフードは病気を引き起こす大きな原因です。おかしいと思った段階でキチンと診断し、治療するためにも、まずは当院にご相談下さい。

※小鳥さんにも痛風は発症します。内容が気になる方は以前のブログを読んでみて下さい。
→小鳥の痛風の記事はこちら

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

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