ハリネズミの輸血と手術

先日、朝1番でハリネズミの患者さん、こしょうちゃんがやってきました。
昨日から血尿をしている、という主訴での来院でした。
ぐったりする様子ではないものの、鼻や手足など通常薄いピンク色をしている所が白っぽくなっていました。

重度の貧血をおこしている状態で、超音波検査を行った所、子宮の疾患が疑われました。
貧血がひどいため、麻酔をかけた状態で輸血をしながら開腹手術を行う事になりました。IMG_4894
そこで登場するのがポックルの看板ハリネズミ、こんぺいくん!

こんぺいくんにも麻酔をかけて、血液を頂きました。

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この血液をこしょうちゃんに輸血するのですが、とくに小さめの体のハリネズミ、犬や猫のように血管に管を入れるのはとても難しいのです。そこで、骨髄に針を入れ、そこから血液を流すという方法で輸血を行いました。

小さな生き物の麻酔管理は不安定な事が多く、いつも緊張するのですが、幸いな事にこしょうちゃんの麻酔はとても安定した状態で行う事ができました。IMG_4909

 

 

お腹をあけると、この小さな体からは想像できない程大きくなった子宮の姿が・・・IMG_4919IMG_4920

血尿だと思っていた出血はこの大きくなった子宮からの物でした。

輸血も全て終わり、無事子宮の摘出も終わる事ができました。

麻酔直後はかなりぐったりした様子でしたが、翌日には顔を上げて動き回るこしょうちゃんの姿が!
翌日には自力でごはんを食べ出し、3日後に無事退院する事ができました。

実はこしょうちゃんの飼い主様、かなり遠い所からの来院でした。
受診当日は朝6時に家を出て、3時間かけてやってきたとか・・・IMG_4924
状態の悪いこしょうちゃんを連れての長距離移動、さぞかし不安だっただろうと思います。
でもその飼い主様の判断がこしょうちゃんの命を救ってくれたんですね。
遠方の場合、来院を迷われる事もあるかと思いますが、まずお電話でも構いませんのでご相談下さいね!
そして今回大活躍のこんぺいくん、本当にありがとう!!

この記事を書いた人

愛玩動物看護師 沢田
愛玩動物看護師 沢田
知らない環境では動物も飼い主様も不安な気持ちになる事も多いと思います。そんな不安な気持ちに寄り添い、安心して帰ってもらえるような看護を目指しています。飼い主様と動物が幸せに暮らしていくためのベストな方法を、いっしょに考えていきたいと思っています。

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