フェレットの副腎腫瘍(手術画像あり)

フェレットでは、副腎(ホルモンを分泌する臓器です)の腫瘍が多く発生します。

主な症状として、全身の脱毛や陰部の腫れ、オスであれば排尿困難や尿路閉塞がみられます。
診断をつけるためには、副腎が腫れていないかどうか、超音波検査をする事が必要になります。
もし、片側の副腎が明らかに大きくなっている場合には、副腎が腫瘍化している可能性が高いため、手術を検討しなければなりません。

ただし、副腎という臓器は後大静脈、腎臓、肝臓、大動脈、という非常に血流の豊富な構造の近くにあるため、手術は一筋縄では行かないこともしばしば。
特に右側の副腎は、左に較べて手術のリスクが非常に高くなります。IMG_3672

この写真では、左の副腎腫瘍を摘出しているのですが、ものすごく大きくなってしまっているため、周辺組織との境目が分かりづらくなっています。

あまり大きくうちに切除できれば、下の画像くらいのサイズで済みますから、身体の負担も軽くすんでくれます。

飼い主さんが自宅で気づけるような病気ではありませんので、上記のような症状が見られた場合にはまず、病院で検査を受けることが重要。IMG_2056
特に、オスの場合には頻尿症状から尿が出せない状態に変化してしまうと命に関わります。
(※尿が出せない場合、麻酔をかけて左下写真の様にペニスから膀胱までカテーテルを通す必要があります)
様子を見ることなく、受診するようにしてくださいね。

 

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

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