ヘビの脱皮

こんにちは、ラーメンは梅光軒が一番好きな獣医師の小島です。

今回はヘビの脱皮についてです。

爬虫類の体を摩擦や衝撃から守るためにある鱗。その鱗の成長にしたがって皮下で新しい角質がつくられ、外側の古くなった鱗が剥がれ落ちることを脱皮といいます。環境や動物種、動物の栄養状態などによると言われていますが脱皮は大体定期的に起こります。

体が大きく成長したときに脱皮をするというイメージを持っている方もいるかもしれませんが、そうではありません。

カメやトカゲは少しずつ時間をかけて、部分ごとに小片状に脱皮していく部分脱皮、ヘビは丸ごと一気に脱皮する完全脱皮です。

脱皮不全になり古い皮が長い間付いたままになっていると、その部分の皮膚状態が悪くなったり壊死してしまうことがあるため、飼育している爬虫類に関しては普段からしっかり観察しサポートしてあげることが大切です。ヘビでは目が白濁すると脱皮前の合図。黒色色素欠乏の色の子では目の白濁に気付きにくいこともあるので注意です!

我が家のコーンスネーク は黒色色素欠乏のアメラニですが、白濁は比較的わかりやすいです。

ちなみにこの子はヘビ好きの方からは「アメラニじゃない!」とツッコミを受けそうですが、たしかに幼体の時はアメラニとしてお迎えしました。今ではほとんど白蛇となりました。

目の白濁は2〜3日続くと解除され、また透明に戻ります。戻ってから3日前後で脱皮をします。

また脱皮前は拒食する個体が多いため、無理な給餌は避けましょう。

白濁を見つけたらしっかり加湿することが脱皮不全対策になります。普段の湿度は40〜60%が適切ですが、脱皮前は高めに保つよう水容器を増やしたり、濡らしたスポンジの設置、加湿器や霧吹きなどで対応してあげる必要があります。脱皮前に水に浸かることを好むヘビもいるため、体全体が入る水入れを用意してあげてください。そして皮を脱ぐときに水入れなどに体をこすりつけ引っかけて脱ぐので、岩の形をした水入れなど凹凸のある物を入れてあげるとより良いです!

無事に脱皮が終わったら、必ず全身をくまなくチェック!ヘビでは特に目と、尾の先に残ることが多いので注意します。体表に残る場合はささくれのようにツンツンと古い皮が立っていることがあります。

残ってる皮を見つけたら、ぬるま湯に浸しながら優しく指の腹で除去してあげましょう。

水に浸かる姿が可愛いですね。

この記事を書いた人

獣医師 蒲原(小島)
大学の時に行ったエキゾチックアニマルのイベントがきっかけでヘビが大好きになりました。実際にヘビを飼育することで、犬や猫に加え爬虫類や他エキゾチックアニマルの診療を幅広くしたいという想いがより強くなっていきました。
獣医師としてまだ駆け出しですが、精一杯勉強して多くの患者さんの助けになれるよう頑張ります。

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