こんにちは、動物看護師の上野です。
急に寒くなってきたので、動物さん・飼い主様ともに体調を崩さないようにお気を付けください!
さて、今回はハムスターの腸重積についてです。
以前、上野家のジャンガリアンハムスターをブログでご紹介いたしましたが(その時のブログはこちら)
その子の他に「味噌」という名前のゴールデンハムスターも飼育していました。
今回ご紹介するのは、他でもなく味噌に起こった出来事です。
そもそも腸重積とはどんな病気なのか、皆様ご存じでしょうか。
下図のように腸管の一部が巻き込まれ、重なってしまった状態を腸重積といいます。
腸重積になる主な原因
・消化管内の感染
・消化管内の炎症
・下痢
主な症状
・腹痛
・血便
・肛門からの出血
・脱腸
飼い主様が普段の健康チェックで気が付きやすいのは、下痢・腹痛・出血・脱腸あたりではないでしょうか。
では、腸重積発見の前日からの流れをお話ししたいと思います。
発見前日までは食欲・元気は有り、体重に大きな変化は無く、下痢もしていませんでした。
当日、仕事から帰宅すると床材に数か所出血跡があり、お尻からの出血だと気が付きました。
お尻を大きく振るように1歩ずつ歩いていたため、腹痛もあったようです。
翌朝、脱腸していたので急いで出勤し、院長の診察にて腸重積の診断を受けました。
幸い日曜日だったため、とび出した腸が壊死しないように押し戻しつつ、診察時間後にすぐ手術開始です。
早期に発見できたこと、脱腸後に管理が出来たこともあり手術は上手くいきました。
麻酔からの覚醒も悪くなく、あとは本人の頑張り次第です。
手術後は1日入院させて次の日に一時帰宅。
手術や注射に耐え、少し回復してきたと思っていた矢先、
深夜2時頃 7ヵ月齢という若さで天国へ旅立ちました。
(※院長注:残念ですが腸重積の予後は悪く、手術を乗り切ってくれても50%以上が亡くなってしまいます。)
「もっと一緒にいたかった」というのが本音ですが、
腸重積の恐ろしさを味噌が身をもって教えてくれたこと、今では感謝の気持ちでいっぱいです。
日常のちょっとした変化に気付けるのは、飼い主様だけです。
先述した症状が出た時はもちろん、何か気になる事が有れば、お早めにお電話ください。
この記事を書いた人
- 2024年5月9日スタッフ初めまして。愛玩動物看護師の三瓶です!
- 2024年4月25日スタッフはじめまして、動物ケアスタッフの長谷川です!
- 2024年2月1日犬シニアわんちゃんの生活の工夫
- 2023年5月9日スタッフ初めまして、獣医師の中村です