ウサギさんの感染症エンセファリトゾーン

こんにちは獣医師の原田です。11月に入り気温もだいぶ下がってきましたね。冬がどんどん近づいてきているなと感じる今日この頃です。

今回はエンセファリトゾーンについて書かせていただきたいと思います。
皆さんこの名前を耳にしたことはありますか?ウサギさんの飼い主さんはこの名前をきいたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

エンセファリトゾーンとは真菌の一種(かつては原虫の一種とされていましたが近年改められました)であり、腎臓や脳に感染する事が知られています。

エンセファリトゾーンは母親からで胎児に胎盤を通して垂直感染を起こすほか、感染したウサギが尿中に排泄する胞子を口から摂取することとで感染が成立します。胞子が体内に入ると消化管から全身に広がり、脳や腎臓などに炎症を引き起こします。
無症状で経過することもありますが、他の疾患による衰弱や老化、ストレスをはじめとした免疫力の低下によって発症してしまうことがあります。

症状は肉芽腫性髄膜脳脊髄炎による運動失調、斜頸や眼振(眼球の振とう)などの神経症状が主症状で、重度の場合には歩行や立つことさえできなくなることがあります。
母親からの垂直感染の場合には若齢期に眼の水晶体に寄生し白内障やブドウ膜炎、前眼房に膿が溜まるといった症状をはじめとする症状が出ることもあります。

 

 

 

治療は駆虫薬などの投与のほか、炎症を抑制するための副腎皮質ステロイド製剤、細菌性髄膜脳炎、中耳炎等による斜頸、眼振などの症状がある場合には抗生物質の使用が一般的に行われます。また、飲水量や食欲の低下がみられる場合には皮下輸液や強制給餌が必要になることもあります。

エンセファリトゾーンの検査は主に外部の検査センターで血液中の抗体価を調べるという方法です。血液検査の結果、抗体価が高ければ感染している可能性が高いということになりますが、前述したとおり陽性であるからと言っても症状が必ず出るわけではなく、無症状の場合もあります。

また、最近では爬虫類での感染も報告されていますが、詳しい感染経路や病態についてはわかっていないのが現状です。爬虫類では健康状態の悪化により症状が出始め食欲の低下や元気の消失がみられることが多いようです。生前の診断法は確立されていませんが、当院でも舌の腫瘤部を病理検査に出したところエンセファリトゾーンが検出された例などもありました。

もし、今回のブログに書かせて頂いた症状がみられた場合エンセファリトゾーンの感染の可能性もありますので是非一度ご相談下さいね。(もちろん中耳炎など他の疾患の可能性も十分にありますので、診察をしたうえで検査をするかご相談させていただきます)
最後にお知らせなのですが、私原田は1月から産休に入るため1年間ほどお休みさせていただく予定です。
獣医療の現場からは少しの間離れてしまいますが人間として一回り大きくなって戻って来られるよう頑張ります!

この記事を書いた人

獣医師 原田
獣医師 原田
エキゾチックアニマルが病気になってしまった時に相談できる動物病院がとても少ないことを実感したことが、エキゾチックアニマルの診療を行う獣医師になろうというきっかけです。飼い主様が問題に直面して時に気軽に頼ってもらえる獣医師になれるよう日々勉強中です!

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