鳥さんの体型を把握しよう!

皆さんこんにちは。獣医師の向田です。
今年も本格的に雪が降ってきましたね~雪かき大変ですが頑張りましょう。
当院でも雪が沢山降った夜の翌日はスタッフ総出で雪かきを頑張っています!
今回のブログは鳥さんのダイエットについて書かせて頂きたいと思います。

そもそも鳥さんの適正な体格ってどのくらいなのかわからないという方もたくさんいらっしゃるかと思います。

写真はインターズー 出来る!!小鳥の臨床 より引用させて頂きました。

鳥さんの体型を評価するために私たち獣医師は胸の竜骨と呼ばれる骨とその両サイドにある胸筋を指で触診しています。
左の写真の鳥さんの正中にあるのが竜骨でその両サイドにあるのが胸筋です。
この竜骨に対して胸筋の高さがどのくらいあるのかを評価して体型を評価します。

 

体型はボディコンデイションスコア、もしくはキールスコアでスコアリングします。

竜骨の高さに対して胸筋が明らかに低い場合は痩せており、反対に太ってくると胸筋がどんどん盛り上がってくるため胸筋の高さが竜骨の高さよりも高くなってきます。

そのため竜骨の先のラインよりも胸筋の盛り上がりが高い場合もしくは竜骨の先が触知できない場合は肥満であると言えます。
イメージとしては胸筋が竜骨の高さよりもやや低いくらいが理想的な体型だと言えるかと思います。

では太りすぎもしくは肥満傾向にあるという場合はどのようにダイエットをしていけば良いのでしょうか。もともと肥満傾向にある鳥さんに対して過度な食事制限をしてしまうと脂肪肝になってしまったり、逆に痩せすぎてしまう体調が悪くなってしまうことがありますので、正しいダイエット方法でダイエットをする必要があります。

まず食事制限をする前にやっておきたいこととして5点紹介します。

①体重と体型の把握

②ペレット食に切り替えてみる。:ペレットのなかにはダイエット用の低カロリーの物もありますのでシードに比べ食事量を減らさずにダイエットを行う事が出来ます。

③1羽飼いにする:同居の鳥がいる場合は競争心やストレス、求愛行動から肥満になることがあります。中には寂しくて拒食してしまう子も居ますので注意が必要です。

④運動をさせる:定期的に放鳥をしたり、カゴを広くして運動できるスペースを増やしてみましょう。
※放鳥する際にはケガ防止のため鳥さんから目を離さないようにしましょう、また放鳥スペースに金属片がないことを確認したうえで放鳥しましょう。金属片の誤食により金属中毒を起こしてしまう危険性があります

⑤明るい時間を短くする:明るい時間が長くなると食べている時間も長くなってしまうため明るい時間は10時間以内に収めましょう

上記に示したことから開始して、それでも痩せない場合はダイエットを開始してみましょう!

①体重の計量:できれば毎日体重を測定して急激な体重減少もしくは増加がないか確認しましょう。病気の早期発見にも繋がります。

②食事量の計算:朝フードを入れた状態でお皿ごと重さを測ります。翌日もう一度お皿の重さを測り、減った分の重さを計算します。これを1週間つづけて平均値を出します。この平均の8割から9割を2回から3回に分けて与えます。体重が急激に減ってしまったり様子がおかしい場合は10割に戻しましょう。

体重は急激にではなくゆっくり落としていくのが理想です。目安としては2週間から1か月で体重の1割を減らすぐらいを目指しましょう。

ダイエットをする際には痩せすぎに注意する必要がありますので、獣医師の診察を定期的に受けながらダイエットを行うのがおすすめです。

まずは飼っている子の体型を把握しておくことが健康で長生きしてもらうための第一歩だと思いますので気になる方は是非一度検診をうけてみてくださいね!

この記事を書いた人

獣医師 原田
獣医師 原田
エキゾチックアニマルが病気になってしまった時に相談できる動物病院がとても少ないことを実感したことが、エキゾチックアニマルの診療を行う獣医師になろうというきっかけです。飼い主様が問題に直面して時に気軽に頼ってもらえる獣医師になれるよう日々勉強中です!

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