ウサギの脛骨骨折

少しずつ秋の匂いがしてきましたね。
順調に移転先の建築は進んでいますが、工期が伸びており、おそらく12月の移転になると思われます。

今回の主役は、ウサギのもぐちゃん。
ご高齢なのですが、足が折れてしまった、とのことでご来院されました。
すでに近くの動物病院さんで診断はされていたのですが、当院でレントゲン検査をしてみると脛骨(すねの骨です)が折れてしまっています。

ウサギさんの骨は、わんちゃんやネコちゃんに較べ、1/3の厚みしかありません。
その上、力も強いし、パニックになったりもするしで、ウサギさんは非常に骨折しやすいのです。
※特にケージ内で足を引っかけたりした際に、足をひねるような動きをするため、すねの骨が最も骨折しやすいです

骨折してしまった場合は、外科手術をするか、ギブスをするか、大体どちらかを選択してもらう必要があります。
もぐちゃんはかなり高齢なのもあり、手術時間を短くするため、シンプルな治療法を選択しました。

手術後の画像がこちら。
骨の中に一本、ピンを通す事で骨の形を整えたうえで、外部にはギブスを巻いて骨が回転してしまうのを防ぎます。

手術から2ヶ月、慎重にギブスを外してピンを抜いた後のレントゲン画像がこちら。
骨折ラインはまだ見えてはいますが、骨はしっかり固まってくれました。
ギブスを外した直後は、足を気にして舐めていましたが、その後すっかり元通りになりました。
飼い主さんからは、「元気に走り回ってくれてます!」という嬉しい報告も頂きました。
※トップの画像は、再診の際の元気なもぐちゃんです。

さて、ウサギさんは高齢になってくると、だんだん骨がもろくなってきてしまうこともあります。
ちょっとした段差を降りた際や、滑った拍子に思いがけず骨折を起こしてしまうことすらあります。
折れた状態で様子をみてしまうと、おかしな形で骨が固まってしまうこともありますので、時間との勝負でもあります。
おかしいぞ、という時にはまずは専門家にきちんと診てもらうようにしましょうね。

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

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