チンチラの膀胱結石

そろそろ朝晩が冷えこんでくる季節になってきましたね。
とはいえ、日中はまだ結構暖かくなったりして、服の切り替えも気持ちの切り替えも難しいですね。
はやる気持ちを抑えきれず、冬モードに気持ちを切り替えてしまった私は、スキーウェアを探しに行った所まだ全然並んでなくてがっかりしました。

今回はチンチラの膀胱結石のお話。
トップ画像のととちゃん、何度もおしっこが出なくなる症状を繰り返しており来院されました。
すでに他の病院さんで膀胱結石と診断されていたのですが、確認のレントゲン検査を実施してみると、小さな結石が見つかりました。
チンチラ、モルモット、ウサギでは炭酸カルシウム結晶という溶けない結石がほとんどなので、この場合は外科手術が必要になります。
特に、ととちゃんは何度も尿道に詰まってしまっているので、あまり待たずに手術を行う事となりました。

全身麻酔をかけて、お腹を開けてみると、何度も尿道閉塞を起こした結果、膀胱の壁はとても分厚くなっています。膀胱が出たところ
慎重に膀胱を切開し、中を探ってくると・・・ありました!
右下の写真が取り出した膀胱結石です。
(小さいですよね)
あとは膀胱を丁寧に縫合し、漏れがないことを確認して、お腹を縫って手術は終了です。
とにかく手術中、手術後ともに痛みをしっかりと抑えるよう、鎮痛薬を充分に使っていきます。
(特にチンチラちゃんは術後体調を崩す事も多いので、私たちスタッフも気をつけています)取り出した膀胱結石

術後の経過は良好。飼い主さんも「いつおしっこが詰まってしまうか」ドキドキしていた、とのことでしたが、これで一安心。
分析の結果、やっぱり「炭酸カルシウム結晶」だった事が分かりました。
再発のリスクもある結石なのですが、ととちゃんは日々元気だとのこと。
トップの写真の通り、愛嬌たっぷりな顔を見せてくれました!

ととちゃんの場合は明らかにおしっこが出なくなる症状がありました。しかし、おしっこの異常はなかなか注意して見ないと気づかない事もあります。ん?おかしいぞ?という段階から、是非病院に相談にきてくださいね!

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

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