猫ちゃんの尿石症

夏が終わり一気に気温が下がってくる秋~冬にかけて、猫ちゃんに多い病気『尿石症』について解説します。
飲水量の下がるこの季節、病院にはよくおしっこが出ない、食欲や元気がない、という子が訪れます。
この時期のおしっこが出ない理由は、膀胱から尿道口までの管が詰まってしまうことが多いのです。
今日は突然、尿石症になってしまったけれど頑張って治療にあたっているココちゃんをご紹介します。

先日、昨日からおしっこが出ない、トイレには行くけど出ていない、ごはんも食べないということで、お母さんと一緒に来院したココちゃん。とても苦しそうな様子でした。
まずこの時期におしっこの出ない子が来るとまず私たちは膀胱の触診をします。
そうすると、おしっこが出せずにパンパンになった膀胱に触れました。
レントゲン検査では尿道と膀胱内には白いものが映っていました。これが尿石です。

尿道の白いものは細かいじゃりのような物なので、尿道口からカテーテルを入れて、少しずつ液体で流しながら開通させていく導尿処置をしていくと、カテーテルが膀胱まで届いたところで一気におしっこが出てきました。

おしっこが出てので一安心ではありましたが、血液検査では腎臓の数値が上がっており、急性腎不全による尿毒症を起こしていたので、点滴、入院となりました。
最初は食欲のなかったココちゃんでしたが、点滴3日目には腎数値が改善してきて、いったん退院することができました。

その後しばらく皮下点滴に通院しながら、尿石管理用のフードにしてもらい、おうちで様子をみていましたが、再度おしっこが出なくなってしまったため、緊急手術で膀胱内の結石を取り出すことになりました。
手術で膀胱を開けて中身を確認したところ、レントゲンで確認できた数以上に無数の細かい石がたまっており、すべて掻き出して膀胱内を何度も洗浄しました。術後の回復は早く、2日後には退院できたココちゃん。先日術後の抜糸に来てくれて、食欲も出てきた様子で治療がひと段落しました。

入院中のココちゃん。静脈点滴とおしっこ量の計測をするパックにつながれながらもゴロゴロ喉をならしてくれるようになりました。


手術で取り出した石は検査センターに分析してもらうのですが、ココちゃんの場合は「シュウ酸カルシウム」という種類でした。
尿石症の原因は複合的ではありますが、ごはんによりおしっこのpHが偏らないようコントロールすること、飲水量が減らないようにすることが大切なので、今後も再発しないよう経過をみています。

ココちゃんは飼い主さんがすぐに気が付いて連れてきてくれたおかげでスムーズに回復してくれましたが、尿石症はおしっこが出ないまま放置すると、尿毒症が悪化して命に関わることもある病気です。
これからの季節、特に男の子のぽっちゃり猫ちゃんは罹患しやすいので、日ごろから飲水量やおしっこの量を観察し、異変があれば早めに病院を受診してくださいね。

この記事を書いた人

獣医師 伊村晶子
皮膚科認定の資格取得に向けて勉強中。子供たちに命の大切さを伝える活動もしています。ポックル動物病院も私自身も、動物と飼い主様のお力になれるようずっと成長し続けていきたいと思います。

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