本当はふか~い?!わんちゃんの外耳炎

先日の当院4周年イベントで外耳炎セミナーを担当させていただきました。
当日来れなかった方もいらっしゃると思うので、飼い主さんからの質問なども含めて振り返りたいと思います。

まず、外耳炎ってどんな病気なのでしょう?
一言でいうと、外耳に炎症が起こって赤くなったりかゆみや生じたりした状態です。
外耳ってどこなのかというと、お耳をめくると見えるいわゆる穴の入口から鼓膜まで続くL字の形をした部分のこと。
わんちゃん、とくに垂れ耳の子はこの部分に炎症が起こりやすく、当院の患者さんでも外耳炎で通院している子はたくさんいるんです。

さて、その原因はなんでしょう?gaijien
ここがセミナーで一番理解していただきたいポイントです!
実は外耳炎の原因にはたくさんの要因があり、主因、副因、増悪因、素因に分類されます。
主因がこれ単独で外耳炎を起こす、主要な原因ですが、そこに他の要因が重なることで重症化する子が多いのです。

副因は二次的に外耳炎を起こす要因で、細菌やマラセチアの感染が分類されています。
よく検査などで細菌がいます、マラセチアがいますと聞くと、これを抗菌剤でたたけば完治する!と思いがちですが、実は細菌もマラセチアも健康なお耳にもいるんです。
それが主因をもっている子のお耳では過剰増殖をして悪化させているだけ。
抗生剤や抗真菌薬でいったん感染がコントロールできても、また再発してしまう子が多いのは、主因の治療がきちんとtiryouできていない場合が多いんです。

増悪因は外耳炎を重症化させたり、慢性化させたりする要因ですが、これには耳垢や耳道の肥厚が分類されます。
お耳の汚れが増えて、お耳が腫れて、さらにお耳の通気性が悪くなって細菌が増殖しやすくなるという具合ですね。
これはお耳を洗ったり、抗炎症剤を使うことでコントロールしていきます。
もちろん副因と同じで、汚れがあるだけでは外耳炎になりませんので主因の治療と一緒にすすめていきます。

素因は発症リスクをあげる要因で、垂れ耳、高温多湿などが分類されています。
これはコントロールできないものが多いのですが、外耳の入口にできた腫瘍によって通気性が悪くなっている場合は手術でとる治療をすることもあります。

そして主因に分類されている内容ですが、アレルギー、脂漏症、内分泌疾患などがあります。
これらをコントロールするのが一番大切な治療なのですが、まるでお耳の病気ではないかのような病名ばかりですね。
実はわんちゃんの外耳炎は、皮膚疾患や全身性疾患の一部の症状であることが多いので、他にかゆがっている部分はないかなどお耳だけでなく全身しっかり観察していく必要があります。
アトピーや脂漏症などは生まれつきの体質であることも多く、その場合、残念ながら外耳炎とも一生付き合っていかなければならないことも。
またあるおやつをあげた後からお耳をかゆがる、といった典型的な食物アレルギーの場合はおやつをやめることでかゆみがなくなることもあります。
なかなか治らない高齢の子は、血液検査をしてみると甲状腺や副腎皮質の病気が主因になっている子もいるので、その場合はホルモン剤などの治療を併用することになります。

セミナーではこの後、おうちでお耳を洗う時のコツや注意点などをお話しました。
質疑応答では『耳毛を切ってますがやめた方がいいですか?』という質問があり、これはその子の状態によりとお答えしました。
耳毛は本来、耳に入ってくる異物から守ってくれる役割をしているからです。
また繊細な耳の粘膜をはさみで傷つけてしまうリスクもありますが、通気性改善のために切った方がいいこともあるというお話をしました。
『たまに首を振るけど汚れはない時は?』という質問には、耳鏡で見ないとわからないので続く時には御来院くださいとお話しました。

いかがでしたか?ちょっと難しい所もあったかもしれませんが、わんちゃんの外耳炎について、少しでも理解を深めていただければと思います。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談くださいね!

この記事を書いた人

獣医師 伊村晶子
獣医師 伊村晶子
ポックル動物病院が、地域の人に愛される病院となっていけたら嬉しいなと思っています。ポックル動物病院を通じて、動物のため、そして飼い主様のためにお力になりたいです。

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