北海道も緊急事態宣言となっていますが、ついに当院にも濃厚接触者が出てしまい、診察枠を縮小させていただいたりとご迷惑をおかけしました。
幸い当院スタッフに症状はなくPCRも陰性、今日でやっと接触から2週間経過となり、明日から通常通りの診療となる予定です。
とはいえ、ひと安心とは全くいかず、最近では飼い主様や取引先からも自宅待機でキャンセル等のご連絡をいただくことも増え、ますます危機感を感じている
ところです。今後とも人の命が最優先ですので、もし院内での感染者がでてしまうと完全休診にしなければならない可能性もあります。本当に治療を必要とする動物のため、ご来院の皆様にもできる限りの感染対策をお願いしておりますので、ご協力よろしくお願いします。もちろん当院でも、飼い主さんの健康を損なうことがないよう、できる限りの対策を徹底して参ります。
さて、昨年もコロナウイルスのペットへの感染についてブログを書きましたが、また問い合わせが増えてきたので最新情報をまとめたいと思います。
まず飼い主さんが一番心配されるのが、自分が感染したら同居のペットにも移るのではないかということだと思います。
新型コロナウイルスはこれまでに、犬、猫、トラなどの猫科動物、ミンクへの感染が少数ながら報告されています。
新型コロナウイルス感染症は人から人へ感染する病気なので、今のところ『人から動物の感染の可能性はありえるけれど報告はわずかで一般的ではない』とされています。
日本国内でもアニコムさんが、飼い主が感染した時のペット預かりプロジェクトを実施しており、預かり時にペットのPCR検査を行っていましたが、昨年8月の発表で犬2匹に陽性が出たものの無症状で陰性に転じるなど、海外の犬猫に関する報告でも数日で陰性に転じるケースが多いようです。
厚生労働省のホームページでは、ペットに感染するとどのような症状が出るか?という質問に、『イヌでは明確な症状は確認されていませんが、ネコでは呼吸器症状・消化器症状があったとの報告があります。』と回答しています。
※厚生労働省『動物を飼育する方向けQ&A』参照
また海外でミンク農場での感染事例があったので、特にねこちゃん、フェレットちゃんの飼い主さんは、日頃から動物と過剰に触れ合うことを控えた方がよさそうですね。
またわんちゃんの飼い主さんも、人や犬がたくさん集まる場所へのお散歩は避けた方がいいでしょう。わんちゃんはマスクができないので、お散歩中は必ずリードをつけ、人から2メートル以上の距離を保つことが推奨されています。
いずれの動物でも、日ごろからペットと適切な距離を持って接するよう心掛けるといいと思います。
最後に万が一、自分が感染してしまった時のために知っておいて欲しい情報です。
人から動物の可能性はゼロではないと言いましたが、動物から人への感染報告は今のところなく、獣医師会でもその可能性は依然として低いと発表しています。
つまりペットを預けることで預かり先の人に感染させてしまうリスクは非常に低いと思われます。
それを踏まえて、今のうちに自分が感染した時に預かってくれる人を見つけておく、その時の預かり手順を確認しておくなどの対策もしておくと安心ですね。
詳しくは東京都獣医師会『新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預けるために知っておきたいこと』を参照ください。
お世話が少し複雑な動物については、説明できるようまとめたものや、普段あげているごはんやサプリなどを多めに用意しておくとお世話を任せる時に安心ですね。
この記事を書いた人
- 皮膚科認定の資格取得に向けて勉強中。子供たちに命の大切さを伝える活動もしています。ポックル動物病院も私自身も、動物と飼い主様のお力になれるようずっと成長し続けていきたいと思います。
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