皆さんこんにちは!
朝晩冷え込む季節になりましたね。
季節の変わり目は体調を崩しやすいので皆様お気をつけください。
さて、アイキャッチ画像のワンちゃんは当院の開院当初から通って頂いているパピヨンのドットちゃんです。
先月の24日になんと20歳のお誕生日を迎えました!!
人間にすると100歳近いご長寿ワンちゃんです。
ドットちゃんはいくつか持病もありますが、飼い主様の献身的なケアのおかげで元気に20歳のお誕生日を迎えられてスタッフ一同うれしく思っています。
高齢になると多く見られる病気の一つに、心臓の病気があります。
その中でも多く見られる疾患の中に、ドットちゃんも患っている僧帽弁閉鎖不全症という疾患があります。
心臓は4つの部屋に分かれていて、血液が一定方向に流れています。
その血液が逆流しないようについている僧帽弁という弁がうまく閉まらなくなって、血液が逆流してしまったり、血液が心臓にたまりやすくなってしまう状態を僧帽弁閉鎖不全と言います。
この状態になってしまうと、外科手術なしで完治する事はできないため、心臓の負担を減らすためのお薬を生涯飲み続ける事が必要になってきます。
お薬の種類はいろいろありますが、血管を拡張させて血圧を下げたり、心臓を力強く動かす薬などが必要になります。
そのコに合ったお薬を処方するため、数種類のお薬を用意しています。
病態が進行すると、心臓に流れる事ができず肺にたまった血液が肺胞の中に染み出し、肺水腫という状態になってしまう事があります。
肺に水がたくさんたまると呼吸が苦しくなり、命に関わる状態になってしまう事もあります。
スポンジに水がたまっているような状態なので、こうなると利尿剤などを使って水分を尿に出してあげる事が必要になってきます。
心臓病を患っているコに注意して欲しい症状としては、
・呼吸をする時苦しそうに胸を大きく動かしていないか(努力性呼吸)
・舌や歯茎の色が白や青紫色になっていないか(チアノーゼ)
・咳をした時などに薄ピンク色の泡状の液体を吐いたりしてないか(喀血)
このような症状がないか観察して頂き、もしこのような状態が見られたらすぐにでも動物病院を受診してください。
お薬を続ける事は飲ませるのも大変ですし、金銭的にも飼い主様の負担が大きい物になるかと思います。
しかし、一見調子が良いように見えても、続けていたお薬を突然やめてしまうと、心臓に急激な負荷がかかり、急変してしまう事もあります。
心臓病は完治する事は難しいですが、進行を遅らせる事は可能です。
お薬や心臓病に対応したフードを与える事で、元気な時間を少しでも長くしてあげる事ができます。
ドットちゃんもお薬をかかさず続ける事で元気に20歳の誕生日を迎える事ができました。
薬を飲ませるのが大変・・・という方や、どのようなフードを与えたら良いかわからない・・・などご相談のはお気軽に当院スタッフにご相談ください!
この記事を書いた人
- 知らない環境では動物も飼い主様も不安な気持ちになる事も多いと思います。そんな不安な気持ちに寄り添い、安心して帰ってもらえるような看護を目指しています。飼い主様と動物が幸せに暮らしていくためのベストな方法を、いっしょに考えていきたいと思っています。
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