冬に気を付けたい泌尿器疾患

こんにちは、看護師の上野です。
急激に寒くなってきて、インドア派の私としては家の中で温かいものを飲んで、ゆっくりしていたい季節です…
人間はある程度、好きな時に好きなものを飲食できますが、動物達はそうはいかないことが多いです。
寒いと感じたときに、冷たい水なんて飲みたくないのは人間も動物も同じで、水を飲むことを我慢してしまう子もいます。

生物が生きていく上で、水は非常に重要なものとなっています。
右図のように動物は体の半分以上を水分が担っていると言っても過言ではありません。

人間の場合、2%の水分が失われると喉の渇きを感じ始め、3%で食欲低下、4~5%で頭痛や眩暈に襲われて、10%の脱水で最悪死に至るといわれています。

このように、重要な役割を持っている水ですが、飲水量が減ることによってもうひとつ気を付けなければいけない事
それが「泌尿器疾患」です。
当院でも毎冬、寒い時期になると、「おしっこの出が悪い」 「何度もトイレに行く」 などの症状で来院する動物が多く居ます。
特に猫ちゃんの来院が多く、理由として、猫の祖先が砂漠地帯で生息していたため、もともと飲水量が少なく少量で濃度の濃い尿を排泄する動物である事、気温の低下に伴い更に飲水量が減ることにより腎臓や膀胱への負担が大きくなる事、尿のミネラル成分が濃くなり結晶化する事などがあげられます。

このミネラル成分の結晶化というのが厄介で、結晶化した成分が結石化することで尿道に詰まる病気、「尿道閉塞」を引き起こす可能性があります。
閉塞を起こして尿が出ない、もしくは出づらい状況になり、老廃物の蓄積による衰弱や膀胱破裂に至ることもあり大変危険です。
尿道閉塞になってしまった場合は閉塞を解除する処置が必要になるのですが、その処置も動物にとってはすごくストレスになります。
なので尿道閉塞にならないためにも、
・新鮮な状態を保つ(1日に2~3回の交換)
・人肌程度に温めて与える
・水飲み場を暖かい場所に設置する
冬場このようなことに注意して水を与えるといいかもしれません。
また、寒さで運動量が低下しトイレに行かなくなる子も居るようなので、トイレも暖かいところに設置することでも、泌尿器疾患の予防につながります。
トイレを気持ちよく使えるよう、また尿量を観察できるよう、こまめにトイレの掃除もしてあげましょう。
それでも尿石ができやすい子には、尿石ができにくいように作られたごはんもありますのでご相談くださいね。
少し長くなってしまいましたが、以上のことを意識して、飼い主様・動物達ともに寒い冬を健康に乗り切りましょう!

この記事を書いた人

看護師 上野
看護師 上野
院長を除いて唯一の男性スタッフです。大型犬の診察補助など、他の看護師では難しいけれど男性看護師だからこそできる事を常に考え、行動しています。大型犬だけでなく運動器疾患のある子、また飼い主様や他スタッフの手足となり、少しでも動物達が健康に快適に過ごせるよう、お力になれればと思っております。

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