ウサギの急性胃拡張

少し寒さが和らいで、路面がみえる日も増えてきました。
いつもこの季節になると、春が待ち遠しい反面、スキーシーズンの終わりを感じて焦ってしまいます。

今回はウサギさんの急性胃拡張について。
ウサギさんは、様々な病気を起こしますがほとんど「食べなくなった」という症状になります。
常に食べなくなったら緊急度が高い訳ではないのですが、すぐに全力で治療しないと命に関わるような病態もあります。
本当に緊急度が高い場合、症状が出てから半日〜一日以内に亡くなってしまう場合もあり、その見極めがとにかく重要となります。

緊急性があるかどうか?はなかなか飼い主さんには判断が難しいと思いますが、このスライドを参考にして下さい。

緊急度が高い場合、まず大事なのは、①痛みを止める、②胃の拡張を軽減させる、という二点。
当院では鎮痛・鎮静剤を注射した後、鼻から胃までチューブを通し、できる限り胃の内容物を抜いてしまいます。
右の写真がその処置をしている所です。
それでは不十分な場合、全身麻酔をかけてより太いチューブを口から胃まで通して胃の内容物を抜く必要があります。

また多くのウサギさんは脱水や腎臓障害を併発していますので、静脈点滴を積極的に行います。
その後も数時間おきにレントゲン検査を行い、再度拡張してくるようであれば、また胃の内容物を抜きます。この処置や検査を何度繰り返しても、胃拡張が治らない場合は、腸のどこかに詰まっているものがあります。
そのため、手術で腸の詰まっている所を確認し、それを取り除く必要が出てきます。

どうでしょうか。
文字に起こしてしまうと大変さがあまり伝わらないですね・・・。
ウサギの急性胃拡張は、命に関わる事が多いため、我々スタッフにとって緊張する病気の一つです。
治療が少し遅れると命取りになる病気でもあるため、皆さんには上のスライドを頭の片隅に入れておいて欲しいと思います。
しかし基本、自己判断は危険です。迷うようならまず病院にご連絡くださいね。

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

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