わんちゃんとの夏のレジャーにご用心!!

こんにちは獣医師の向田です
最近は雨も多くてジメジメした日が続いていますね…しかし!もう少しで北海道も夏本番に突入です。夏になると、わんちゃんを連れてハイキングやキャンプに出かける方も多いのではないでしょうか?

そこで、今回は山や森に出かける際に気をつけたいレプトスピラ症についてお話しさせていただきたいと思います。
いきなり話は変わりますが、わんちゃんの混合ワクチンの5種や7種、9種、11種って何が違うのかご存知ですか?

この違いこそまさに今回のブログの主題であるレプトスピラなんです。5種の混合ワクチンにはレプトスピラに対する予防効果はありませんが、7種、9種や11種といったものにはレプトスピラに対する予防効果があります
では9種や11種の違いはなんなのでしょうか?
それは…予防することができるレプトスピラの種類です。
レプトスピラの種類は非常に多くて約250種の血清型があることが知られているのです!
流石に全ての血清型に対して予防することは不可能なので、その地域に特に多い血清型を含めた予防内容になっていることが多いです
血清型が異なるものに対しては予防効果はないため残念ですが9種や11種を接種したからと言ってレプトスピラに絶対に感染しないとは言い切れないのです…
レプトスピラとは細菌の一種で実は犬だけではなく、様々な動物に感染することが知られています。人間も例外ではありません。レプトスピラは保菌しているドブネズミなどの齧歯類の尿中から排出され尿で汚染された土や水から口や皮膚を介して感染します。

人では感染すると重度の肝障害、腎障害をひき起こし、発熱や黄疸、出血と言った症状が現れます。今では日本ではあまり知られていない病気ですが、1970年代までは日本でも年間50名以上の死亡例が報告されていました。(今では衛生環境の向上により発生数はかなり少なくなりました)国外ではまだまだ大流行が続いている怖い病気でもあります。
犬では急性の症状としては
嘔吐や発熱、
腎炎
脱水
を起こし死亡してしまうこともあります。
犬から人への感染に関しては極めて稀であり、このような経路からの感染が疑われたケースは全体の約1%に過ぎないと言われています。しかし、犬から犬への感染は感染した犬の尿を介して容易に起こるため、注意が必要です。

もしキャンプやハイキングによくわんちゃんと一緒に行くという方でレプトスピラの予防はどうしようかと悩まれている場合にはお気軽に獣医師にご相談くださいね。

この記事を書いた人

獣医師 原田
獣医師 原田
エキゾチックアニマルが病気になってしまった時に相談できる動物病院がとても少ないことを実感したことが、エキゾチックアニマルの診療を行う獣医師になろうというきっかけです。飼い主様が問題に直面して時に気軽に頼ってもらえる獣医師になれるよう日々勉強中です!

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