もめん、感謝のお別れ

昨日未明、ポックル動物病院で飼っていたうさぎ、もめんが亡くなりました。
もめんが我が家に来たのは5年ちょっと前、開院前に手稲に引っ越してきたときから一緒に暮らし始めました。きっとおてんばすぎたのでしょう、某ふれあい動物園ではなじめなかったという話をきいて引き取らせてもらいました。
それからは病院のスタッフルームの主として、みんなのランチタイムに癒しを与えてくれていました。
食に貪欲でお腹がすくとすのこを踏み鳴らしてアピールをする子で、さらに動物好きの中で飼われるといういい環境にいたおかげで、ダイエットが常に悩みの種でした。
うさぎちゃんの性格は様々、触られるのが好きな子もいれば嫌がる子もいます。
もめんはどうやら後者、部屋のお掃除をしてくれる人の手に噛みつくことさえありました。
しかし、ちょっと激しめの性格もまた愛らしく、うさぎの扱いを学びたい人にはぴったり。
動物病院の新人さんや実習生の、保定や爪切りの練習には何度も貢献してくれました。
また院長が受け持つ学校の授業に随伴し、お手本となってうさぎの勉強をする子たちのお手伝いもしてくれました。
飼い主さんに投薬や強制給餌のやり方をお見せするための動画にも協力してくれました。
そして何より、もめんの供血のおかげでポックル動物病院の患者うさぎさんの命を救うことができました。

もめんの最期はとても急な変化で、4日前から食欲が低下し、血液検査、レントゲン、超音波検査では何も異常が見つからず。
皮下点滴、強制給餌、投薬など対症療法にもまったく反応せず、どんどん元気がなくなっていきました。
我が家に来た時点で、年齢不詳の成うさぎだったので、7歳以上とは思われますが性格のせいで若く見えただけでもっとずっと高齢だったのかもしれません。
死因ははっきりしないままのお別れですが、多くの貢献をしてくれたもめんに今はただ感謝しかありません。

生き物は必ず死ぬ時が訪れます。それは充分分かっているつもりですが、
「もめんは幸せだったかな?」
「もっとやってあげられることはなかったかな?」
という考えも浮かんで来てしまいます。
ペットの死を受け入れるのは簡単ではありませんが、天国で幸せに暮らせることを願って、院長とともに葬儀場でお別れをしてきました。スタッフからの人参、小松菜、お花とともにもめんは旅立ちました。

帰宅すると空き家となったもめんの小屋に寂しさでいっぱいですが、我が家にはたくさんの動物たちがどうしたの?といわんばかりに寄ってきます。動物の幸せって何だろう、という疑問とともに、この子たちもいつかくるお別れの時に悔いることのないよう、日々愛情をかけてやろうという思いもこみあげてきました。
また動物医療に携わる者として、今後とも人も動物も幸せな最期となるよう、やってあげられることはすべてできるよう手を尽くすお手伝いをしようと改めて思いました。
もめんをかわいがってくれた皆様、ありがとうございました。

この記事を書いた人

獣医師 伊村晶子
皮膚科認定の資格取得に向けて勉強中。子供たちに命の大切さを伝える活動もしています。ポックル動物病院も私自身も、動物と飼い主様のお力になれるようずっと成長し続けていきたいと思います。

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