忘れないで!わんこの怖い病気

こんにちは。看護師の鉢呂です。
さてもうすぐ6月にはいりますね。
愛犬家にとって、とーっても大事な予防をしなければいけない時期なんですよ!
それは「犬糸状虫」という虫に感染しないための予防。細長いそうめんみたいな虫です。
「犬糸状虫」というよりは「フィラリア」という名前の方が馴染みがあるのではないでしょうか。
蚊が媒介する感染症で、フィラリアの子虫を体内に持った蚊に刺されると、健康な犬の体内に子虫が入ってしまいます。そのまま予防をせずにいると、皮膚の下や筋肉内で成長を続け、子虫が犬の体内でフィラリアの成虫になる頃には血管を通り心臓に移動して重篤な症状を引き起こします。放置すると死に至る怖い病気なんです。

先日は患者さんでラブラドールのお腹が膨れているという子が来院されました。

※院長注:札幌市手稲区での発症例です。
お腹が膨れているのは腹水のためでした。呼吸が苦しそうで歩くのやっと・・・。
長年、フィラリアの予防はされていなかったようです。
エコーで心臓を見るとうごめいているフィラリア成虫の姿が・・・

※動画で一番上部に見える黒い空間に注目。その中に出たり消えたりするたくさんの白い影がフィラリアの成虫です。

採血した血液を顕微鏡で見てみると、こちらにはミクロフィラリア(フィラリアの幼生)が確認できました。

当院ではフィラリア予防薬は4種類ご用意しています。

①まずは一番安価な錠剤のお薬タイプ。

②お肉のようなおやつタイプ。(牛肉が含まれているので牛肉アレルギーの子にはオススメいたしません)

③フィラリアの他にノミ・マダニの予防もできるおいしいチュアブルタイプ。

④どうしても飲み薬を飲ませられない・・・飲ませても吐きだしてしまう・・・という子には頭数制限がありますが、注射タイプもあります。1度接種すれば1年間効果が持続しますので、飲ませ忘れがなく便利かと思います。

ただこの時期、蚊を見かけるようになったからといってすぐにフィラリア予防薬を飲ませる必要はないのです。

蚊に刺されても子虫が皮膚の下や筋肉にいる間に予防薬を飲ませられればフィラリアには感染しません。
たまに「もう蚊がいるから早く予防薬を飲ませた方がいいですか?」という飼い主さんがいらっしゃいますが、蚊が現れて蚊に刺されても、1か月以内に飲ませれば大丈夫。
しかし秋になって蚊がいなくなってもフィラリア予防をやめてはいけません!
蚊を見かけなくなった1か月後まで予防薬を飲ませてその年のフィラリア予防は終了となります。
そのような理由で当院では6月から11月までの予防をお勧めしています。
わんこを飼ってるうえでは大事な予防のひとつです!絶対忘れないで下さいね!

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