冬、猫ちゃんに多い病気

こんばんは。2016年も残り2日となりましたね。当院も明日から年末年始診療体制で、午前のみ、基本的には急患のみの診察となります。
さて、今日のタイトル、この季節に猫ちゃんに多い病気って何だと思いますか?

その答えは

尿石症です!

なぜ冬かというと、夏に比べて飲水尿量が一気に減るからなのです。
尿石というのはひとつの症状で、専門的には下部尿路疾患と呼ぶのですが、結石が詰まるところまでいかなくても、血尿をする、尿にキラキラした結晶がまざる、トイレに行く回数が増える、排尿時に痛がって鳴く、などのサインが出ることがあります。
そしていよいよ完全に結石として尿道が詰まってしまったら大変!
おしっこが出なくなると、猫ちゃんは腎障害を起こしたり、高カリウム血症になったりと命に関わる病態になるからです。

10月末に、2日前からおしっこが出ない、食欲もないのに吐くということで来院した黒猫の男の子、天吉くん。
膀胱はおしっこでパンパン。なのに、尿道が詰まって出せない状態でした。
こうなると尿道に詰まった結石を除去しなければなりません。
細い尿の出口から、細いカテーテルを通していき、膀胱まで管を通して尿が出っぱなしになるよう固定します。
出てきた尿は真っ赤な血尿でした。
そして血液検査で腎不全にもなっていることがわかり、点滴が必要なので入院することになりました。
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6歳になるまで特に大きな病気もなかった天吉くんの突然の入院に飼い主さんも驚いた様子でしたが、4日間の治療の後、無事に退院することができました。
その後は、処方食のおかげで結石も溶け、元気にしています。

尿結石には尿のPH(酸性、アルカリ性の度合い)が関係するのですが、ごはんが大きな要因となります。
猫ちゃんの飼い主さん、尿石に配慮したごはんをあげていますか?
またトイレに行く回数も日々チェックしてあげてくださいね。

それでは、これで今年も最後のブログになります。
皆様、家族とともに健康で楽しい年越しになりますように!
また来年もどうぞよろしくお願いいたします。

この記事を書いた人

獣医師 伊村晶子
皮膚科認定の資格取得に向けて勉強中。子供たちに命の大切さを伝える活動もしています。ポックル動物病院も私自身も、動物と飼い主様のお力になれるようずっと成長し続けていきたいと思います。

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