リンパ腫と戦うルイベちゃん

5月末のこと、目が痛くてご飯を食べないとのことでジャックラッセルテリアのルイベちゃんが来院しました。
痛そうにうずくまり、震えているルイベちゃん。
しかし目の検査をしてみると、確かに白内障と角膜潰瘍はありますが、眼圧も正常で、そこまで痛いとは思えません。
本人にどこが痛いか教えてもらえればいいのですが、そうもいかないので全身の検査をすることになりました。

血液検査、レントゲン、エコー検査を経て、消化管に腫瘍があることがわかりました。
ルイベちゃん、14歳という高齢ながら血液検査には大きな問題がなかったため、その日のうちに緊急オペとなりました。
その様子がこちら。あけてみると色が変わりボコボコとした腫瘍が消化管を巻き込むように成長し、一部が破れて消化管の内容物がお腹に漏れていました。IMG_5134

 

 

その腫瘍を消化管ごと十分なマージンを取って切除し、切った消化管は元通りに縫い合わせます。
IMG_5135 IMG_5137

最後に消化管に生理食塩水を流しても漏れないことを確認して閉腹。
その後、5泊の入院の後、退院しました。
しかしそれでよかったね、では終われませんでした。

腫瘍を病理検査に出した結果が、T細胞性のリンパ腫という結果だったのです。
リンパ腫はわんちゃんに多い病気ですが、リンパ液にのって全身に広がる腫瘍なので、腫瘍を切除しても完治はしないのです。
そのため、腫瘍細胞を減らして延命させることが目標になります。
抗がん剤という治療法はB細胞性リンパ腫に比べると、ルイベちゃんのT細胞性リンパ腫には抗がん剤が効きにくいというデータがあります。
それでも飼い主さんには、少しでも長生きして、最後に旅行で思い出を作りたいという希望がありましたので、抗がん剤も試みました。
しかしルイベちゃんには合わず、強い副作用が出てしまいました。
飼い主さんと相談のうえ、ステロイド剤のみの治療に切り替えたところ、6月末には急展開の回復!
7月には念願の家族旅行にも連れて行ってもらい、きっと幸せな時間を過ごせたことと思います。
8月も半ばを過ぎて、発症からはもうすぐ3ヶ月となりますが、調子よくおうちで過ごせているルイベちゃん。
少しでもおうちで楽な時間を過ごせるよう、スタッフ一同、今後とも力を尽くさせていただきます!
がんばれ、ルイベちゃん!!

この記事を書いた人

獣医師 伊村晶子
獣医師 伊村晶子
ポックル動物病院が、地域の人に愛される病院となっていけたら嬉しいなと思っています。ポックル動物病院を通じて、動物のため、そして飼い主様のためにお力になりたいです。

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