ハリネズミの眼球突出

連日、暑い日が続きますね。
それでも、湿度が少なく愛知県育ちの院長からすれば過ごしやすいです。ただ、看板犬(?)ぼたもちは暑さにやられてのびてしまっています。

さて今回はハリネズミの眼球突出について。
先日、眼が赤くなっているハリネズミちゃんが来院されました。

詳細に触診、視診をしようとしても、怖がって丸まろうとしてしまいハッキリ原因が分かりません。

ハリネズミの眼が赤い、という場合、
①まぶたや結膜・眼球内に炎症が起こっている。
②眼圧が上がっている(緑内障)。
③眼球内で出血している。
④眼球が押し出されている(眼球脱出)

以上4点を疑います。
ただし、犬猫と違い十分な検査をするためには麻酔をかける必要があります。

今回、麻酔をかけて詳細にみてみたところ、、、
眼球が脱出しており、まぶたが閉じられない状態になっていました。

ハリネズミは眼が収まっている頭蓋骨のくぼみが非常に浅く、もともと眼球がかなり飛び出しています。
さらに肥満個体では、眼の下に蓄積した脂肪でより眼球が外側に突出します。
物理的な刺激のみが原因の事も多くありますが、眼の奥の腫瘍や膿瘍が原因である可能性も。hedgehog eye prolapse recover

今回は眼科検査で、角膜が濁っている(おそらく眼球脱出による二次的な変化)以外には異常所見はありませんでした。

幸い、今回はスムーズに眼球を元の位置に戻すことができました(左)。

消炎剤・抗生剤を使用した後の写真がこちら(右)。hedgehog eye
角膜は濁ったままですが、再脱出や感染、痛みもなく順調な経過です。

なかなか検査をさせてくれない動物なので、どうしても治療・検査が後手後手に回ってしまう事もあります。
しかし、眼の異常はちらっとみただけではやはり判断が難しいのだ、と今回痛感しました。
ハリネズミの飼い主さんは、ちゃんと毎日お顔のチェックをするようにお願いします。

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

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