ヒョウモントカゲモドキの卵塞

こんにちは!獣医師の向田です。うだるような暑さも大分和らぎ少しづつ秋の気配を感じるようになってきましたね。皆様体調は崩されていませんか?人も動物も季節の変わり目は体調を崩しやすいので気をつけていきましょう!
さて今回のブログでは先日卵塞(お腹の中に卵が残ってしまい、排出出来ない状況)で手術を行ったヒョウモントカゲモドキのかんなちゃんについて紹介したいと思います。
食欲不振、活動性低下の症状で他院を受診し内科療法を受けていましたが、卵が排出されないと言うことで当院を受診したかんなちゃん。

レントゲンを撮影したところ写真の様に胴体の半分ほどを占める大きさの卵が確認出来ました。大きさにして約3.5㎝でした!大きな卵ですね〜こんなに大きな卵がお腹の中にあると内臓を圧迫してしまい食欲がなくなってしまうのも納得です・・・
この卵塞ですが、カメや鳥類でも良くみられるもので卵管を収縮させるようなお薬(収縮剤)を注射することで卵の排泄を促進することが多いのですがヒョウモントカゲモドキでは収縮剤の効きが悪く、数日待っても排出されない場合は麻酔をかけて開腹手術をする事になってしまいます。今回かんなちゃんは内科療法で卵が排出されないことが分かっていることに加え卵が大きく自力での排出が出来ないため開腹手術を行い、お腹の中の卵を取り除く事になりました。
また、卵塞の再発を防ぐためにも卵巣と卵管の摘出をこの手術と同時に行う事になりました。

(ここから手術中の写真が出てくるため苦手な方はご注意下さい)
まず、かんなちゃんに麻酔をかけ酸素とガス麻酔で麻酔の維持を行います。

次に開腹し卵巣と卵管にアプローチして行きます。開腹するとすぐに大きな卵が現れました!左側の写真で腹腔内にうっすらと白く見えているのが卵です。右側の写真は卵を摘出している写真です。

今回かんなちゃんの左の卵管は一部炎症により、肝臓と癒着しており完全に取り除く事は出来ませんでしたが右の卵管、左右の卵巣は摘出することが出来ました。

摘出した卵です。改めてみても大きい!!上部は一部石灰化してざらざらとしていました。

麻酔からの醒めがかなりゆっくりで少し心配でしたが、今では少しずつごはんを食べ始めているということです。

ちいさな身体のかんなちゃんにとっては大手術でしたが、頑張ったねかんなちゃん!

この記事を書いた人

獣医師 原田
獣医師 原田
エキゾチックアニマルが病気になってしまった時に相談できる動物病院がとても少ないことを実感したことが、エキゾチックアニマルの診療を行う獣医師になろうというきっかけです。飼い主様が問題に直面して時に気軽に頼ってもらえる獣医師になれるよう日々勉強中です!

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