ハムスターにできものが見つかったら

こんにちは獣医師の原田です。最近は暖かくなり夏が近づいてきているなーと感じる日も多くなってきましたね。

今回はジャンガリアンハムスターのすーちゃん(7ヵ月)の皮下腫瘤の症例について
書かせていただきたいと思います。

足の付け根が腫れているというのが主訴でした。まずは足の腫瘤がどのような細胞で構成されているのかを
確認するため、針生検という方法で細胞を採取することにしました。
針生検とは注射針を腫瘤部に刺し、細胞を吸引して吸引した細胞をスライドガラスにのせて染色し、
どのような細胞が存在するのかを顕微鏡で確認するという検査です。
腫瘤の種類によっては細胞が取れないものもあるので、確定診断がつけられないものも中にはあります。

すーちゃんの場合は腫瘤部に針を刺すと緑色の液体が2㏄ほど取れました。
液体の中には炎症細胞が主に見られましたが、液体を抜去した後に、腫瘤部にはしこりのようなものが
触れましたので腫瘍の可能性もあることを考えました。
その後、2週間ほどでまた同様に液体が溜まるという状況を何度か繰り返しており、しこりも徐々に大きくなっている様子がありましたので、外科手術をして根本的な解決をしましょうという事になりました。

※このあと手術の写真が表示されます。苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

太ももの付け根が大きく腫れているのがわかるかと思います。これが腫瘤です。

 

 

 

 

腫瘤部の毛を刈った後の画像です。より腫瘤の様子がわかりやすいかと思います。

 

 

 

 

腫瘤を電気メスで切除しています。
電気メスを使うと止血と切除を同時に行うことが出来るため、
出血量をかなりおさえて手術を行うことが出来ます。

 

 


切除した後の画像です。
今回の腫瘤は皮下に存在していましたが、腹壁にかなり近い場所に
存在していたため、膀胱との癒着等がないかどうか
腹壁を開けて確認したうえで切除しました。

 

 

手術後のすーちゃんの様子です。
傷はすこし痛々しいですが、術後はスムーズに目を覚ましてくれました。

 

 

 

 

今回の腫瘤は足の付け根という事で尿路にも近いため、手術で尿路を傷つけてしまうと最悪の場合尿が出なくなってしまうという可能性もありましたが、術後にしっかりと尿をしている事が確認でき一安心でした。
切除した腫瘤は病理検査の結果、腺腫という良性の腫瘍でした。
手術後は傷口の確認のために来院していただき、特に液体がまた溜まっているような様子もなく、傷口もきれいな状態でしたので晴れて治療終了となりました。

ハムスターは腫瘤ができやすく、良性のものもあれば悪性のものもあり、その種類は様々です。
悪性度の判断は見た目での判断は難しいため、もしハムスターの体に何かできているのを発見しましたら、
まずは一度診察を受けてみることをお勧めします。

早期発見のためにもぜひ定期的にお腹を触ってみたり、皮膚になにか出来ていないか観察してみてくださいね!

この記事を書いた人

獣医師 原田
獣医師 原田
エキゾチックアニマルが病気になってしまった時に相談できる動物病院がとても少ないことを実感したことが、エキゾチックアニマルの診療を行う獣医師になろうというきっかけです。飼い主様が問題に直面して時に気軽に頼ってもらえる獣医師になれるよう日々勉強中です!

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