トンガの動物事情と募金活動

連日の報道で皆さんご存知の通り、1月15日のトンガ沖で海底火山噴火があり、トンガは津波と火山灰による被害を受けました。
個人的な話にはなるのですが、ポックル動物病院の開業前、私、伊村晶子はトンガで2011年~2013年までの2年間、海外協力隊員として獣医師としてボランティア活動をしていました。2年間トンガ人の家族と暮らし、トンガ人と仕事をしてきましたが、大切な人たちの多くはまだ連絡が取れずにいます。
今日はトンガのことを知ってもらいたいと思い、私が関わってきた頃のトンガの動物事情をご紹介したいと思います。

人口10万人ちょっとの小さな島国トンガには、動物はいますが獣医師がいません。そのため所属先の農業省でパラベットと呼ばれる家畜指導員のような方に、動物の診断や治療などの知識や技術を伝えるという使命のもと、トンガ人と一緒に動物の診療をしてきました。(活動詳細はブログにつづっています)

トンガの飼育状況は日本とは全く違い、最初は驚くことばかりでした。主に飼育されているのは豚、犬、鶏、たまに肉牛、ヤギ、馬、猫などがいます。養鶏場や乳牛牧場も少ないですがあります。多くの動物が庭で放し飼いだったり、簡易な柵に入れられて飼われています。犬の飼育目的は愛玩動物というよりは、番犬目的のため中型~大型犬の雑種が多いです。豚はおめでたい時に棒に刺されて丸焼きにしていただく御馳走です。牛や馬はヤシの木の林の中に放されていることが多く、田舎では道を歩く家畜の姿を見かけたり、海辺で貝を探して食べる豚の姿を見ることも。ほとんどの動物の飲み水は雨水、食べ物は残飯やココナツです。

そんな動物たちの飲み水も今頃、火山灰で汚染されてしまっていることでしょう。人の食べ物すら足りなくなることが想定されるので、動物に与えられる食べ物はあるのでしょうか。汚染された水を飲んで病気が蔓延したり、病気の動物の肉を食べて人にも健康に影響が出るのではないかと心配です。また主食が芋類(キャッサバ、ヤム、タロ)なので、火山灰により土壌で芋を作れなくなると、今後長期にわたり食料が不足することは間違いありません。
そんなトンガのために私のできることとして考えたのが、水や食料を届けてもらえるよう支援すること、動物の福祉に役立ててもらえるよう支援すること。
今考えている募金先は埼玉県にあるNPO法人日本トンガ友好協会、そして一緒に活動してきたニュージーランドを拠点とした動物愛護団体SPAW(South Pacific Animal Welfare)です。
そんな想いにもし賛同してくださる方がいましたら、待合室にもトンガコーナーを作り募金箱を設置していますので、支援へのご協力よろしくお願いします。
また日本財団にもオンライン(クレジットカード決済)や銀行振込によるトンガへの募金窓口があります。
こちらでなくても、身近にトンガのためになる支援の機会がありましたら、ぜひご協力をお願いします!

この記事を書いた人

獣医師 伊村晶子
皮膚科認定の資格取得に向けて勉強中。子供たちに命の大切さを伝える活動もしています。ポックル動物病院も私自身も、動物と飼い主様のお力になれるようずっと成長し続けていきたいと思います。

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