久しぶりのブログ登場、愛猫とらえもんです。
院長と10年以上のお付き合い、推定14歳になりますが変わらず日々癒してもらっています。
黒猫、白猫と後輩が増える中、落ち着いたお兄さんぶりを発揮しやんちゃな後輩たちの相手もしてくれています。
さて、もう8歳を超えた頃から、とらえもんは年2回の健診を受けていますが、今年の春検診で初めて血液検査の腎臓数値上昇が見つかりました。
腎臓は沈黙の臓器、と呼ばれるだけあって、少しくらいダメージを受けても無症状で進行していきます。
一般的な血液検査(尿素窒素とクレアチニン)の上昇で気が付くのは腎臓の7割以上ダメージを受けてから。最近ではそれより早く検出できるSDMAという検査項目が腎臓の4割ダメージで検出できるようになりました。
とらえもんも高齢猫コースに、オプションでSDMAを検査していましたが、この値が上昇して腎不全初期に気が付くことができました。
なぜそんなに早く腎不全に気を付けなければならないかというと、腎臓の機能は一度失われたら復活しないからです。
つまり今ある腎臓をいかに守ってあげるかで、その子の寿命が決まります。
とはいえ腎不全の寿命の予測はとても難しいので、初期と診断されてから5年以上生きる子もいれば、治療に反応せず進行して1年もたない子もいます。
腎不全の治療にも何通りもの方法があります。
当院ではIRISのステージ分類というガイドラインにそって診断し、ステージにあわせた治療をしていきます。
診断も血液だけではなく、尿検査、エコー検査、血圧測定などを組み合わせてステージ分類をします。
とらえもんはステージⅡなので治療はまず日々のごはん変更。腎不全は食事療法でも進行を遅らせられる病気なので、まずは初期なら治療食へ。
さらに消化管で窒素物を減らしてくれるサプリとリンを吸着してくれるサプリ、どちらも粉状でごはんにかけるのですが、無味なようで特に気にせず食べてくれています。
それから約半年、効果を期待しつつドキドキの秋検診をしてみたら・・・
血液検査の結果も尿検査の結果も残念ながら進行を止められずステージⅢとなってしまいました。まだ症状は出ていませんが、とらえもんの腎臓の7割以上は機能していません。
エコー検査では著名な異常はありませんでしたが、今日から錠剤と液体のお薬を増やして定期検査もより短期間で経過を見ていくことになりました。
我が家の癒し、とらえもんの残りの腎臓を少しでも長く守れるよう、幸せに過ごせるようサポートしていきたいと思います。
この記事を書いた人
- 皮膚科認定の資格取得に向けて勉強中。子供たちに命の大切さを伝える活動もしています。ポックル動物病院も私自身も、動物と飼い主様のお力になれるようずっと成長し続けていきたいと思います。
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