皆さんこんにちは!
暖かい日が増えてきましたね。
趣味のバイクのバッテリーを交換したら絶好調になってごきげんな看護師沢田です。
少し前の話になりますが、3月に東京で行われた救急救命の国際大会に参加してきました!
会場では講演、実習など複数のブースに分かれており、各会場とも人がたくさんで非常に盛り上がっていました。
窓から東京ビッグサイトが見える立派な会場です。
模型を使った心肺蘇生のシミュレーションなどもあり、とても勉強になりました。
私が特におもしろいと感じたのが、実習として参加するプログラムで、グループで分かれて話し合いながら考えるというのが、他の学会ではあまりない内容だったので、貴重な体験をさせていただきました。
そのうちの一つに、トリアージについて学ぶというプログラムがあります。
トリアージという言葉、聞いた事ある方はいらっしゃいますでしょうか?
トリアージとは、「選別する」という意味のフランス語で、災害などで複数の傷病人が出た時に、重症度を判断し、治療の順番を決める、という物になります。
動物病院では緊急の症例が訪れた時に、重症度を考え、診察の順番を変更させていただいたりするのに、トリアージを行う必要があります。
獣医師がスムーズに診察を行うために、正確なトリアージができるよう、学んできました。
実際には身体検査や飼い主様から症状について伺ったりする事で重症度を判定していくのですが、おうちでもできる、重症度を判定するポイントを二つお伝えします!
一つ目は、粘膜色の確認です。
粘膜色とは、歯茎や舌の色を確認する事です。
体の酸素濃度が低下したり、貧血になると、普段正常時はピンク色な粘膜色が、青紫色や白っぽい色に変化します。
体の中の酸素飽和度が低下して粘膜色が悪くなると、チアノーゼと呼ばれる状態になってしまい、非常に危険です。
もしこのような状態になっていたら、大至急動物病院を受診しましょう。
もう一つは、股動脈圧の確認です。
後ろ足の内腿にある大腿動脈という所を触る事で、血圧が保たれているかを確認する事ができます。
ドクドクと指先に脈をしっかり感じる事ができれば正常です。
この画像では、後ろから左手の人差し指を使って触っています。
後ろ足の内側、この→で示したあたりを触ります。
これが触れないくらい血圧が低下している状態も、非常に危険です。
こちらも大至急動物病院を受診する必要があります。
上記の症状があった場合はすぐに検査、治療が必要になってきますが、この二つが大丈夫でも、急を要する状態である事もありますので、不安な事があれば早めに動物病院に相談しましょう。
異常を発見するためには普段の正常な状態を知っておく事が大切です。
普段から自分ちのコの粘膜色や股動脈を触れる場所などを確認して、異常にすぐ気付けるようにしましょうね!
この記事を書いた人

- 知らない環境では動物も飼い主様も不安な気持ちになる事も多いと思います。そんな不安な気持ちに寄り添い、安心して帰ってもらえるような看護を目指しています。飼い主様と動物が幸せに暮らしていくためのベストな方法を、いっしょに考えていきたいと思っています。
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