犬アトピー性皮膚炎との付き合い方

今日ご紹介するのは何年もの間、皮膚のかゆみを繰り返してきたミックス犬のロンちゃん。

初めて来院した時には、目の周りや口の周り、手足の先端や、お腹の皮膚が真っ赤になり、脱毛も広範囲。
とにかくかゆそうで、いつも手足をなめているということでした。

ロンちゃんの場合、他院での長い治療歴があったことと症状からアトピー性皮膚炎を疑って治療から始めました。
また食物アレルギーが関与する可能性もあったので、ごはんも変えてもらうことにしました。
最初に来院した時の様子がこちら。
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それから約1カ月かけて少しずつ改善がみられました。飲み薬で炎症を抑えることで赤みも減り、かゆがることも減ってきました。

またお家でシャンプーもしていたので、アトピー用シャンプーを使ってもらうことに。

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さらに1カ月続けると、かゆみはほとんどなくなり、被毛も生えてきて見違える姿に!

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わんちゃんのアトピー性皮膚炎は多い病気なのですが、遺伝性素因があり(柴犬、フレンチブルドッグ、ウエスティなど)、一生お付き合いしていかなければならない病気です。
ロンちゃんもこれでお終いではなく、ここから少しずつ飲み薬の量を減らし、まずは容量を半分、さらに4分の1に減らして再発しないかを2週間ごと確認。
それでもかゆみが抑えられていたので、次に投薬を1日おき、2日おきと減らして様子をみています。
飲み薬を使い続けることでの副作用も心配されますが、急にやめると再発しやすく、悪化させてしまうと最初の容量から始めなければならないので、慎重に様子をみながら減らしていき、維持できる最小量で付き合っていきます。
また飲み薬の量を減らしてあげるため、スプレーも使ってもらいます。
かゆい場所にだけ、1日1回から始めてもらい、こちらもだんだん減らしていきます。
症状のコントロールができているので、今は食物アレルギー用ごはんから、一般食へと様子を見ながら切り替えもしている最中です。

このように飼い主さんにとっては根気よく治療を続けなければならない病気ですが、途中でやめてしまわないことが重要です。
わんちゃんがかゆみなく快適に生活できるよう、一緒に頑張っていきましょう!

この記事を書いた人

獣医師 伊村晶子
皮膚科認定の資格取得に向けて勉強中。子供たちに命の大切さを伝える活動もしています。ポックル動物病院も私自身も、動物と飼い主様のお力になれるようずっと成長し続けていきたいと思います。

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