実は危険が潜んでいる…?

3月に入りましたが、まだまだ寒い北海道が続いてますね…春の暖かさが待ち遠しいです(´;ω;`)

先日、あるテレビ番組でやっていた内容が興味深かったのでご紹介します。

その内容とは、60歳男性のお話で、その方の趣味は盆栽いじり、今まで大きな病気をしたこともなく、日課として奥さんと愛犬とお散歩も毎日していました。年齢を重ねても食欲は衰えず、晩酌も欠かせなかったそうです。

そんなある日のこと、朝に手の痺れを感じ、夜には突然足に痛みが走りました。 なんと深夜には自力で移動することができなくなってしまいました。

男性は緊急搬送されましたが、その6時間後に心肺が停止し、体に変調を来してから、わずか1日ほどで亡くなってしまいました。 大きな病歴がなかったにも関わらず、健康だった男性の身体に何が起こったのでしょうか。

 

結果として男性はカプノサイトファーガ・カニモルサスという細菌に感染していたのです。なんだかすごく難しい名前の細菌ですよね…カプノサイトファーガ・カニモルサスは、今から44年前にアメリカで初めて報告された細菌で、犬や猫の口の中に存在する菌で、日本の犬の84%、猫の64%がこの細菌を持っているという報告が挙げられています。

この細菌に感染したカプノサイトファーガ・カニモルサス感染症とは犬や猫に咬まれたり、ひっ掻かれたりすることで感染します。人から人への感染は報告されていないそうです。症状としては、発熱、倦怠感、腹痛、吐き気、頭痛など、重症化してしまうと感染が全身に影響を及ぼし体内で炎症が起きてしまう敗血症や、さらに血管内で血栓ができてしまったり、止血異常が起きてしまう播種性血管内凝固症候群(DIC)などに進行して死に至ることがあります。

今回この男性は、盆栽いじりで負っていた傷をペットのわんちゃんに舐められた際にこの細菌に感染し、その5日後、敗血症を発症し 、体中の炎症が多くの臓器に障害をきたしたことで亡くなられてしまったと考えられます。日本でこの細菌に感染したという報告は2018年の末までの26年間で、106例あり、そのうち21例で死に至っているそうです。国内症例の致死率としては約20%だそうです。

通常の状態であれば傷口から粘膜から細菌が体内に入ったとしても、全身に回る前に免疫機能が働くため、発症には至りません。 しかし持病を持っている方、高齢者の場合など、免疫機能の低下などで、簡単に体内への細菌の侵入を許してしまうと、それにより命を落とす可能性が高くなってしまうのです。感染のリスクが高い人は、免疫抑制状態にある人(癌を患っている、抗がん剤やステロイド剤を使用している)、重度の酒飲み、脾臓がない人、糖尿病の患者さんなど。
妊娠中の女性も、重症となりやすいため注意が必要です。

皆さんは犬や猫の口の中に、このような恐ろしいことを起こしてしまう菌があることを知っていましたか?

予防の方法としては、過度なふれあいを避けることに限ってしまいますが、わんちゃんや猫ちゃんとはたくさん触れ合って、可愛がってあげたいですよね!私も自宅で猫を5匹飼っている身…毎日のようにもふもふさせてもらっているので、たくさん触れ合えないだなんて悲しいです( ;∀;)

そこで動物と触れ合った後は、必ず手洗いをしましょう!これはこの病気だけではなく、一般的な動物由来の感染症予防にも手洗いも重要になります。

大切な家族であるわんちゃんや猫ちゃんが時に、飼い主さんに影響を及ぼしてしまうということを知っていただけたらと思います。

コロナウイルスも未だに流行っていますので、手洗いもですが、うがいもしっかりしましょうね!

※以下、獣医師注
カプノサイトファーガ感染症は非常にまれな病気です。通常は大丈夫なのですが、免疫低下が考えられる方はやはり犬猫との距離を置いた方が賢明です。
以下、信頼の出来るサイトへのリンクを張っておきます。興味がありましたらご一読下さい。

カプノサイトファーガ感染症のQ&A(厚生労働省)

カプノサイトファーガ感染症についての詳細(Centers for Disease Control and Prevention、英語)

 

この記事を書いた人

看護師 加藤
看護師 加藤
看護師としてまだまだ未熟ではありますが、飼い主様に気軽に声がかけてもらえるように日々のコミュニケーションを大事にし、飼い主様と大事なペットちゃんが幸せな生活を送ることができるように少しでもお力になれればと思っています。

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