フクロモモンガの腎不全

新年始まってすでに2週間が過ぎようとしています。
当院は年末年始もずっと診療をしていたので、年が明けた実感がないままです。
(でも一応、年越しそば、おせち、初詣は済ませました)

さて元気がない、食欲がないとのことで来院されたフクロモモンガのミルちゃん。
見た感じでは脱水がありそうで、確かに動きにも元気がありません。
呼吸も悪くないので、血液検査を実施することにしました。

フクロモモンガやハムスター、インコのような小動物では、十分な血液量を取ることができません。
そのため、これまで使用していた通常の検査機器では、血液が不足していた場合、検査項目を絞らなければいけませんでした。
そこで、当院ではこちらの機械を導入しました。

血液生化学検査器(ベトスキャン)。ハムスターや小鳥などのわずかな血液で多くの検査項目を測る事ができます。

血液生化学検査器(ベトスキャン)。ハムスターや小鳥などのわずかな血液で多くの検査項目を測る事ができます。

こちらの機械では、わずか0.1ccの血液で10項目以上の検査が行えるのです。
0.1cc、というと目薬の2滴くらい。
採血量も圧倒的に少なくて済むようになり、動物たちの負担も大幅に軽減できるようになりました。
※当院の設備についてはこちら

さて、ミルちゃんの血液検査結果をみてみると、腎臓の値が明らかに上がっています。
腎臓障害があるため、入院させて十分量の点滴を行ったところ、みるみる元気になってくれました。
写真は、入院中にペレットを食べているところ。IMG_1573

ミルちゃんは高齢でもあり、必ず治るという病気ではありませんが、少しでも長く健康でいられるためにお手伝いしていきます。

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

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