フェレットの腎癌

フェレットのバニラちゃん。他院の獣医さんからのご紹介で来院されました。
3〜4週間前からお腹がふくれてきたとのこと。ご紹介元の先生からも右の腎臓が腫大しています、とご連絡を受けていました。
レントゲン検査、超音波検査では右の腎臓が腫大しており、内部に液体が貯留。血液検査では少し腎機能の低下が認められました。

腎臓の腎盂、という部位が液体で拡張していること、レントゲン検査で尿管の入り口に結石様の陰影がみられることから、尿管結石による尿管の閉塞とそれに伴う水腎症を疑いました。
こういったケースの場合、完全に閉塞しているのか、反対側の腎臓がきちんと働いているのかを調べる必要があります。そのために血管内に造影剤(レントゲンで白く写ります)を注射して、腎臓からの排泄をみていきます。

バニラちゃんの場合、左の腎臓のみから排泄されており、右の腎臓からは全く尿が排泄されていない事が分かりました(写真)。

飼い主さんは手術をご希望されたため、開腹し右の腎臓を摘出する事となりました。右腎をみてみると、水腎症にしては周辺組織との癒着が多い様子。大きな血管も巻き込んでいたため、慎重に右腎を剥離します。そして腎臓に入る動脈と静脈を結紮、右腎を摘出しました(写真)。併せて結石も除去し尿管の処理も行い、手術を無事終える事ができました。

右腎の病理組織検査結果は、「腎癌」。
悪性の腫瘍だったのです。尿石、尿管閉塞との関連は不明ですが、転移する可能性があるためまだまだ油断はできませんが、手術後からバニラちゃんの調子は非常に良好で、抜糸の際にも元気な顔をみせてくれました。ferret renal carcinoma ope

これからも元気で、ご家族と楽しい時間を過ごしてくれるよう祈っています!

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

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