ようやく春になった・・・と思いきや突如として冬に逆戻り。
それでも今日からはまた春の天気に戻ってくれてほっとしています。
今回はお迎えした直後に体調を崩してしまったハリネズミちゃんのお話です。
今日の主役はシナモンちゃん。
数日前にショップからお迎えしたばかり。ところがお迎えした直後から重度の下痢を起こし、元気も食欲も低下してぐったりしているとのことで来院されました。
診察室でもほとんど動かず、丸まって顔も出してくれません。
下痢の頻度も多く、2日ほど対症療法を行ったのですが全く食欲が戻ってくれませんでした。
ハリネズミの下痢を起こす病原体ではサルモネラが知られています。
もともと痩せているシナモンちゃんですが、このまま食べないと数日以内にさらに状態が悪化してしまうと考えました。
そこで、シナモンちゃんに食道チューブを設置。チューブから直接フードとお薬を投与できるようにしました。
嫌がるハリネズミに充分量のフードをあげるのはストレスも時間もかかりますが、チューブからならほとんど嫌がりません。
ちなみに、チューブは胃の入り口付近の食道まで挿入しています。
しばらくは入院。皮下点滴と抗生剤・下痢止めの内服と並行し、少しずつフード量を増やしていきました。
最終的にはご自宅で投薬と給餌を続けていった所、下痢も止まり見事な回復をみせてくれました。
食道チューブは、設置したままでも自分でご飯を食べることができます。今回も食欲と体重が安定してからチューブを除去しました(と、言いたいのですが実はちょうど除去予定の日に自分で取り去ってしまっていました)。
シナモンちゃん、チューブが取れた後もモリモリご飯を食べてどんどん大きくなってくれています。
ショップからお迎えしたばかりのハリネズミちゃんは、急な環境の変化についていけずに急激に状態が悪くなることが多くあります。
おかしいな、と思ったら必ず病院にいくようにしてください。
ハリネズミちゃんにも犬猫と同じレベルの治療を行っていけるよう、これからも努力していきます。
この記事を書いた人

- 動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。
- 2025年3月27日学会エキゾチック動物学会で発表をしてきました
- 2025年1月2日飼育2025年 明けましておめでとうございます
- 2024年10月2日デグーデグーの鼻腔内骨腫(手術画像有り)
- 2024年7月4日未分類実は大学病院でもエキゾチックアニマルを診療しています