チンチラの脛骨骨折

暖かい日が続きます。
そのお陰か、少し病気で来院される動物さんが減ったように感じるのは気のせいでしょうか?
これから、行楽シーズンにもなりますので、暑さ対策と誤食対策には充分気をつけてくださいね。

今回は、びっこを引くとのことで来院されたチンチラのペコちゃんをご紹介です。
来院直後にレントゲン検査を実施したところ、左後肢の脛骨(スネの部分です)が骨折しているのが分かりました。

早速手術を行ったのですが、手術前に毛を刈ってみると骨が皮膚を突き破った跡がありました。
この場合、骨へ感染を起こしてしまうリスクが高くなります。
しかも、骨折したところよりも足先側は骨が縦に割れていました。そのため手術は髄内ピン(骨髄の内部に入れるピン)のみしか設置できませんでした(写真)。

この方法だと、回転する方向への安定度が低いので、ギブスによる外固定も併用していきます。

ペコちゃん、紆余曲折ありながら重たいギブスとエリザベスカラーに良く耐えて頑張ってくれました。
お陰で、骨折部は無事にすっかり治り(左下の写真)、元気に走り回れるようになりました。


これは入っていたピンを抜いて治療終了した後のペコちゃんの様子。
小さい動物たちの骨は、わんちゃんや猫ちゃんに較べると非常に細くもろいため、完全に治るまでは気が抜けません。
元気に跳ね回るペコちゃんを見て、ようやくホッと一安心することができました。

チンチラやモルモットは、ケージ内のわずかな隙間に足を引っかけて骨折することが多いので、注意するようにして下さいね。

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