セキセイインコ・ピロちゃん胃炎闘病記

昨日から、食欲がないんです。
そういって来院されたピロちゃん。

来院時、見た目は元気でしたが、突然ご飯を食べなくなってしまったとのこと。
レントゲンでは明らかな異常はなかったのですが、入院で経過をみていると強い嘔吐症状が。

さらに便の色が真っ黒に変化していきました。重度の胃炎・胃潰瘍であると診断、闘病の開始です。

セキセイインコには、胃炎が非常に多く発生します。
食べない、元気が無い、羽を膨らませている、など症状はいろいろですが、強い嘔吐症状が特徴的です。

そして食べないと場合、小鳥はすぐに状態が悪化します。そのため入院が必要なのですが、給餌処置(写真のような器具を用いて食べさせます)をしても吐いてしまう事が多くあります。そのため入院期間が長くなる事もしばしば。体重が信じられないほど減ってしまうので、集中的に栄養管理を行う必要があるのです。

ピロちゃんも吐気が強く、胃が悪い子向けのパウダーフードも吐いてしまうほど。ensure APDそのため、液体の栄養食を少量ずつ、頻繁に与える事でなんとか栄養を与えていきました。
3〜4時間おき、朝から深夜まで、ピロちゃんもこちらも大変です。

一時退院を含めて11日の入院期間。当初32グラムあった体重はなんと24グラムまで減ってしまいました。
しかし飼い主さんの理解と、ピロちゃんの頑張りのおかげで食欲も戻り、見事退院!
今はすっかり元気になり、35グラムまで体重が増えて一安心。
入院管理が大変であればあるほど、元気な姿を見られるうれしさはひとしおです。

特に小鳥は羽があるため飼い主さんが痩せていることに気づかないケースも。
便が少ない、ご飯が減っていない、そういったサインも見逃さないでくださいね。

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

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