ウサギの角膜穿孔

眼が白くなって、どんどん悪化しているんです。
と、来院されたアニキちゃん。

右眼の表面はどろどろに分泌物が付着。
表面を綺麗にしたのがこの写真。

角膜に大きな穴が空いてしまっています。
他の病院さんで治療を受けていたそうですが、ここまでほんの2〜3日で悪化してきているとのこと。
細菌感染が強く起こると、これくらいの短期間で角膜穿孔を起こしてしまいます。

この状態から角膜を再生させるのは容易ではありません。

まず、眼の表面を完全に綺麗にします。
さらに治療過程で眼が乾燥しないよう、麻酔をかけて眼瞼縫合(上まぶたと下まぶたを縫合)を行いました。
そのときの写真がこちら。IMG_0474ちょっとだけ隙間が空いているのが分かりますか?
こちらは点眼薬を入れやすくするためにあえて、空けています。

同時に本人の血液を採取し、血清入りの点眼薬を作成。この点眼薬を1時間おきくらいにひたすら点眼していきます。もちろん、適切な抗生剤も併用します。
もしこの治療で良くならなければ、最悪眼球を取る事になります。

治療を頑張って数週間。
角膜は無事、再生されました!IMG_0150すべては飼い主さんの頑張りと、アニキちゃんの頑張りのおかげ。
特にアニキちゃんの頑張りは素晴らしく、カラーをしても点眼をしても全く嫌がらないといういい子っぷり。

今日のトップ画像は治療が一段落してなんだかご満悦なアニキちゃんです。

さて最後に。あんまり最近活躍の場がないぼたもちくんですが、途中からアニキちゃんに使用している点眼薬の血清を提供してくれました。
ぼたもちくんも、治療がうまくいってご満悦なご様子!いつもありがとね!

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

関連記事

  1. 芸能人よりも、歯が命!

  2. 新しい超音波検査機器を導入しました。

  3. フェレットの腎癌

  4. フェレットの採血

  5. ウサギさんの感染症エンセファリトゾーン

  6. キャリーケースは何を重視しますか?

最近の記事

アーカイブ
PAGE TOP