猫の甲状腺機能亢進症

こんにちは、獣医師の中村です。

今年は、早い時期から異常に暑い日が続き、体調を崩しがちな動物さん、飼い主様も多いのではないでしょうか?
暑さに弱い動物さんは、お部屋を涼しくしたり、お散歩の時間を工夫するなどして、熱中症には十分気をつけていただきたいと思います。

我が家のわんこは、冷房の効いた部屋にいるとハアハア暑がることはないのですが、一番涼しい場所を探してそこでダラーンとしていることが多いです。

私は、暑いと食欲が落ちるタイプですが、なんとかこの夏を乗り切ろうと炭酸水とポッキンアイスを常備しています!
おすすめのポッキンアイスがありましたら、ぜひ教えていただきたいです m(_ _)m

さて、今回は猫ちゃんの甲状腺機能亢進症という病気についてのお話です。

甲状腺機能亢進症とは、その名の通り、甲状腺の機能が活発化してしまう病気です。中高齢の猫ちゃんの病気としては腎不全が有名ですが、この甲状腺機能亢進症も中高齢の猫ちゃんで多くみられる病気で、7歳以上の猫ちゃんの10%以上はこの病気であるとも言われています。

甲状腺組織の過形成もしくは腫瘍化により、甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、様々な症状が引き起こされます。

具体的な原因は不明で、遺伝的要因やヨウ素の過剰摂取、環境中の化学物質などが関与しているのではないかと考えられていますが、はっきりしたことはわかっていません。

主な症状として、
・食欲はあるのに痩せてくる
・活発になる、落ち着きがなくなる、怒りっぽくなる
・大きな声でよく鳴くようになる
・眼がランランとしている
・毛艶が悪くなる
・下痢、嘔吐
・多飲多尿
・頻脈
などが挙げられます。

初期には一見、元気はあるしよく食べるし…と病気と認識されず見逃されることもあり、健康診断の血液検査で偶発的に見つかることも珍しくありません。しかし進行すると食欲元気がなくなり、上記の症状のほか、慢性腎臓病や高血圧、心疾患などの合併症も見られることがあります。

血液検査で甲状腺ホルモン(T4)が基準値より高値であることで診断されます。

治療は、甲状腺ホルモンの分泌を抑えることと、併発疾患があればその治療も必要になります。症状や猫ちゃんの状態、飼い主様のご希望などによっても治療法は異なりますが、一般的には、甲状腺ホルモンを抑える内服薬やヨウ素を制限した食事による内科的治療と、甲状腺摘出術を行う外科的治療があります。

合併症がなく、甲状腺ホルモンのコントロールがうまくいけば、健康な猫ちゃんと同じように生活でき、寿命を全うすることも可能です。

甲状腺機能亢進症は特に予防法がなく、また症状からの早期発見が難しい病気です。ですから、中高齢の猫ちゃんで、元気食欲はあるけど何となく様子が違うなと感じたり、いつもと変わりがなく見えても、甲状腺ホルモンのチェックをおすすめします。
当院の健康診断でも、中高齢の猫ちゃんにおすすめのミドルコースには甲状腺ホルモンの検査が含まれていますので、定期的に受けていただき、病気の早期発見にお役立ていただければと思います!

この記事を書いた人

獣医師 中村
獣医師 中村
出産を機に仕事から離れていましたが、また獣医師として動物と関われることになり、嬉しさと同時に身の引き締まる思いです。
動物と飼い主様の両方に寄り添った診療ができるよう、努めて参りますので、よろしくお願いいたします。

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