ドカ雪に悩まされた今年の冬も、少しずつ寒さが緩んで終わりが見えてきました。
毎年、私はこの時期になると、ホッとすると同時に、やや寂しい気持ちになります。
特に今年は、移転のドタバタやコロナもあって休日が潰れ、スキーにあまり行けなかったので悔しさもひとしお。
まだ間に合う!とばかりに先日手稲山で1人黙々と滑ってきました。
手稲スキー場は学生の時からちょこちょこ来ていましたが、何度滑りに行っても飽きませんね。
いつも、晴れた日には手稲山を眺めて、この場所で日々過ごしている事に感謝しています!
(若干大げさですが、ホントです)
さて毎年、だいたいこの時期になると、小鳥さんの来院がドッと増えてきます。
換羽によって調子を崩す事も多いのですが、メスの場合は過発情や産卵のトラブルが大変多くなってくる時期。
今回は少しでも多くの方に、小鳥の発情を止める方法を知って欲しくて投稿することにしました。
メスの発情をずっと放置してしまい、産卵を繰り返してしまうと、卵詰まりが起こるリスクが高くなってしまいます。ただ出ない、というだけならば良いのですが、卵管が脱出してしまい大量に出血し、命に関わることもあります。
さらに、慢性の発情により、腹筋が薄くなり破れて腹壁ヘルニアになってしまったり、卵管のトラブル(卵管炎や卵管蓄卵材症など)になってしまったり、卵管の腫瘍になってしまったりすることもしばしば。
これを予防するには、まず第一に「できる限り発情をさせない」という事が重要です。
具体的には、以下の点に注意してもらっています。
①フードの摂取量を制限し、太っている場合は適正体重へダイエットさせる
②日照時間をコントロールする(できれば10時間以内)
③過剰なスキンシップや声かけをしない
④適度に放鳥や遊びをさせて、ストレスをためさせない
言葉にするとシンプルで簡単そうなのですが、実際にはなかなか難しい部分もあるかと思います。
最も大事なのは①のフード制限とダイエット、に集中して取り組みましょう。
小鳥さんの発情は、すぐに具合が悪くなるわけではないのですが、放って置くと結果として寿命を縮めてしまうこともあります。通常発情しているだけでは焦る必要はありませんが、1〜数ヶ月に一度以上産卵しているケースでは、病院に来てもらい、少しでも早く発情を止めるための指導をしてもらった方がいいでしょう。
発情しているか分からない!という方は、お尻をあげてしゃちほこの様なポーズをする、お尻を振って擦り付ける、鼻(ろう膜)が茶色くなる、お尻周りが膨らんでくる、狭いところに入りたがる、などの行動をみたら、「発情しているかも」と考えてみてください。
当院で作った発情抑制のパンフレット、以前「ポックル通信」としてホームページにも掲載したのですが改めてこちらにアップしておきます。
発情にお困りの飼い主さんには是非一度読んでもらって、もし分からない事があれば気軽に診察にきて相談して下さい!
この記事を書いた人
- 動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。
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