犬アトピー性皮膚炎のアプローチ

暑くて湿度もあがる季節はわんちゃんの皮膚病が悪化しやすい季節・・・特に犬アトピー性皮膚炎の子は、お薬が必要になる子が増えています。
わんちゃんの皮膚病の中でも最もご相談が多い病気ですが、多因子性疾患なので様々な原因に対して様々なアプローチ方法があります。当院では皮膚病のセカンドオピニオンもお受けしていますが、やはりアトピーのお薬を減らしたい!というご要望は多いです。当院では薬を減らすことを目的に色んな商品をそろえているので、今回ブログでもその一部をご紹介しようと思います!


①内服薬
内服薬は主に3種類あります。即効性があり安価なステロイド薬、ステロイドより作用点が狭いので長期使用しやすいオクラシチニブ、皮膚の厚くなった子やべたつきの多い子にも効果的なシクロスポリンです。まず症状が強い場合は内服薬が効果的です。※お薬の使用例はこちらのブログをご参考ください。
②注射
ロキベトマブという一番新しい治療法で、1回の注射約28日間、痒みを抑える作用が持続します。抗体医薬といって、化学薬品ではなく犬の抗体で作られているので副作用や負担を減らす治療として取り入れることができます。※詳しくはこちらのブログもご参考ください。
③外用薬
ステロイド、ステロイドでない痒み止め、血行促進保湿剤などがあります。わんちゃん用に作られたアンテドラック型のステロイド薬は、皮膚で効果を発揮してから吸収されるまでに分解されるので、長期使用には副作用リスクを減らすこともできます。部分的な皮膚炎のケアには外用薬がおすすめです。
④サプリメント
サプリメントには何種類もありますが、長期継続することで薬を減らすことができる可能性があるので、続けられることを重視して選ぶとよいと思います。
当院には必須脂肪酸、セラミド、腸活サプリ、漢方薬などがあります。腸活は常在菌のバランスを整えることで免疫力を保ち、人と同様に皮膚炎の発症を抑制する研究が進んでいます。漢方薬は即効性も期待でき、内服薬を減らしたり再発を抑える効果も期待できます。

⑤スキンケア
シャンプーや保湿によるスキンケアで、皮膚からのアレルゲン侵入を抑えることができます。またシャンプーは膿皮症やマラセチア性皮膚炎などの二次感染対策にもおすすめです。またご自宅でシャンプーが難しい子や、パッドやしわの間の部分ケアには拭き取りシートタイプも人気があります。(トップ画像は一部の例です)また当院ではメディカルトリミングとして皮膚の状態を獣医が診察した上で、薬用シャンプーや保湿を選んでいるのでアトピーの子にもおすすめです!

⑥フード
ロイヤルカナンの新商品で、内服薬の減薬のエビデンスがあるフードが初めて発売されました。これまでにも皮膚に良い成分が配合されたフードはありましたが、直接かゆみを抑えるフードとしては初めての商品で、当院でも取り扱っています。

もちろんすべてやらなければならないわけではないので、気になる商品がある方は、お気軽にご相談くださいね。

この記事を書いた人

獣医師 伊村晶子
皮膚科認定の資格取得に向けて勉強中。子供たちに命の大切さを伝える活動もしています。ポックル動物病院も私自身も、動物と飼い主様のお力になれるようずっと成長し続けていきたいと思います。

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