カメの卵胞うっ滞(手術画像あり)

すっかり寒くなってきました。手稲山も例年の通り初雪が降り、毎年言っていますが私はスキーの季節が近づいてきてワクワクしています。愛猫のろくは寒くなってくると途端に甘えっ子になり、最近は布団の中で一緒に寝ることにしたようです。
重たいですが、湯たんぽ変わりでWin-Winなので、我慢して一緒に寝ることにしています。
今回はカメさんの卵胞うっ滞について解説します。
カメの卵胞うっ滞について
カメさんの来院理由の多くが、「ごはんを食べない」というものです。
メスのカメさんの食欲不振は、原因が生殖器疾患である事が非常に多いです。
ミシシッピアカミミガメなど水棲ガメのメスは、オスがいなくても卵を作ってしまいます。
そのため一頭で飼っていても卵を作ったり卵胞の拡大が起こったりして、食欲不振の原因となってしまうのです。
卵胞うっ滞とは?
卵のもとである「卵胞」が大きく育ったまま、排卵されずにお腹に残ってしまう状態です。食欲がなくなり、元気が落ちていきます。お薬で改善することは少なく、手術が必要になることが多い病気です。
自然に退縮する、もしくは卵管を通じて産卵する事で改善することもあります。
単純に卵胞が拡大してしまうだけではなく、内部で破裂して腹膜炎を起こしたり、感染を伴ったりして急激に状態が悪化することもあります。
どうやって診断するの?
レントゲン検査、超音波検査で診断します。
卵胞には殻があるわけではないのですが、レントゲンであたりをつけた後に超音波検査を行う事で診断ができます。
治療は?
この病気は内科療法で改善することが少ないため、手術が必要となることが多いです。
当院では最近、甲羅を開けずに、後ろ足の付け根(大腿窩)の柔らかい部分から卵巣・卵胞と卵管を取り出す方法を採用しています。甲羅を開ける手術に比べて体への負担が少なく、術後の回復もとても早いのが特長です。
多くの場合は、片側からのアプローチで両側の卵胞・卵管共に切除する事ができます。

卵胞を取り出したところ
すぐ手術しなければダメ?
「いつまで待っても大丈夫ですか?」と聞かれることも多いのですが、一概には答えられない・・・というのが本音です。
食べない期間が長くなると、肝臓に脂肪がたまる「脂肪肝(肝リピドーシス)」になってしまいますし、その場合には手術がうまくいっても食欲の回復に時間がかかることが多いため、必要、と判断した場合にはなるべく早期に手術をしたほうが結局は早く改善することが多いです。
もちろんカメさんの年齢や状態によることも多いので、まずは状況をきちんと確認し、手術のメリット・デメリットを判断してからになります。



