犬猫の慢性腎臓病(サプリメント)

今回は前回のブログ『犬猫の慢性腎臓病』に引き続き、当院で慢性腎臓病の子に使用しているサプリメントについて紹介しようと思います。

前回も紹介したように腎臓病の治療には、療法食、内服薬、点滴など様々です。

腎臓の機能が低下するとリンを尿として体外に出す力が弱くなり、身体から排泄出来なくなるとリンは腎臓にさらにダメージを与えます。そのため、サプリメントなどでリンや老廃物を制限することは、腎臓病の進行を遅らせるためにとても大事になってきます。

すべてやらなければならないわけではありませんが、当院では治療の選択肢を多くご提案できるよう現在5種類のサプリメントをご用意しているので、紹介していきます。

①イパキチン
リン除去作用がある炭酸カルシウムや、リンやアンモニアなどを吸収するキトサンが配合されており、リンと老廃物を消化管内で吸着してくれます。
手軽でコストも高くないため、リピートされる飼い主様が多いです。
また、無味無臭の粉末パウダータイプなので、与えやすく、水にとけやすく、フードの味を損なうこともないので食欲のない子におすすめです。

②プロネフラ
液体型になっており、食事に混ぜて与えたり、直接経口給与も可能なのでとても与えやすいサプリメントです。腎臓の健康を守るための4つの成分(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、オリゴペプチド、キトサン)が含まれており、リンを吸着し、健康な血管機能と腸管内の老廃物に配慮してくれます。チキンのフレーバーとフィッシュのフレーバー付きで美味しく続けやすいのもポイントです。

③アゾディル
カプセルタイプになっており、3種の善玉菌( ストレプトコッカス・サーモフィルス(KB19)、ラクトバチルス・アシドフィルス(KB27)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(KB31))が生きて大腸に届き、窒素老廃物を代謝し、腎臓の健康を維持してくれます。食欲を増進させる効果もあるので、食欲のない子にもオススメです。

④アミンアバスト
カプセルタイプになっており、リンを制限しながらアミノ酸を補給し体重減少を防ぎ、クレアチニン(筋肉を動かすためのエネルギーを使った後に出てくる老廃物の一つ)を低下させる効果があります。体重を増やしたい子やクレアチニンを下げたい子におすすめです。

⑤レンジアレン
粉末タイプになっており、フードに混ぜて、フード内や胃腸で生じたリンを吸着してくれます。嗜好性が高く、無味無臭なので食べやすく、与えやすいサプリメントです。

その子の症状や味の好みや飲みやすさに合った、無理しない範囲で長く続けられるサプリメントをご提案させていただきます。少量づつご用意できるものもありますので、ご相談下さい。

この記事を書いた人

成田
小さい頃インコを飼っていたことをきっかけにエキゾチックに関わる動物看護師になりたいと思いこの仕事を目指しました。今は猫を飼って暮らしています。飼い主様と動物ちゃんの幸せを支えていけるよう日々精進してまいります。

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