歯はキレイなだけじゃダメ?

皆さんこんにちは!
8月らしい暑さが続いていますね。
短い夏、皆さんは満喫していますか!??
看護師沢田は今年は大きいテントを買って、家族でキャンプをしたいなと思っています~!

さて、本日のアイキャッチ画像、ワンちゃんのお口の中の画像ですが、皆さんこのお口の中の異常がわかりますか?
歯石や歯肉炎もない、とても健康的なお口ですが、この矢印の部分です。
犬歯(キバ)の後ろのほそ~い歯、これは実は乳歯なんです。(矢印はありませんが上あごの犬歯の後ろにもあります)

これの何が異常なのか?
人の歯は通常、乳歯の下から永久歯が生えてきて、それに押された乳歯が抜けて、そのあとから永久歯が生えてきますよね。
小学生の時、グラグラしてる乳歯に糸を巻いて、父に引っこ抜いてもらった記憶があります。
怖くて号泣してました。(笑)
ですが、犬の場合は、乳歯が抜ける前に横から永久歯が生えてきて、その歯に押されて乳歯が抜けていきます。
なので、一時的に同じ所に乳歯と永久歯が並ぶように生えるんですね。
永久歯が乳歯の半分~3分の2の高さになるくらいまでに乳歯が抜けると言われていますが、同じ高さになっても乳歯が抜けず、残ってしまう事があります。
この状態を乳歯遺残といいます。
こうなってしまうともう自然に抜ける事はほとんどないと言われています。

ではこれは、放っておくと何か不都合があるのでしょうか?
乳歯が残った状態だと、永久歯との間に歯垢がたまりやすくなり、歯石の原因になってしまいます。

実際処置をするコの中にも、1歳未満にも関わらずすでに歯石が少し付き始めてるコも多く見かけます。
また、歯並びが悪くなる不正咬合という状態にもなりやすく、自然に抜けないようならなるべく早めに抜いてあげる必要があります。
抜歯には全身麻酔が必要になるため、多くのコは去勢、避妊手術の時にいっしょに抜いてあげる事が多いです。

IMG_0948

乳歯抜歯の処置の写真です。
見てるだけで痛そうですね・・・
実際には全身麻酔をかけて、鎮痛薬もしっかり使いなるべく痛みが少なくなるように処置をしていきます!

IMG_0958

抜けた後の乳歯です。
小さい方が前歯(切歯)の乳歯、大きい方がキバ(犬歯)の乳歯です。
赤い部分が歯肉の中にあったのですが、根がかなり深いのがわかりますね。

余談ですが私はいまだに乳歯が残っています(人間なのに…)
私の場合下から生えてくる永久歯がないらしく、乳歯がそのまま残ってしまったようです。
他の歯より小さいですが、なるべく大事にして死ぬまで使っていきたいなと思います!
でもワンちゃんの乳歯はとっておいても良い事はないので早めに抜いてあげて下さいね(^_^)
グラグラしてるのを無理に抜くと折れて根っこが残ってしまう事があるので、くれぐれも幼少の頃の私のように歯に糸を引っかけて抜いたりしないで下さいね( ̄▽ ̄;)
うちのコ乳歯残ってるかも…?と思ったらお気軽にご相談下さい(^_^)

この記事を書いた人

愛玩動物看護師 沢田
愛玩動物看護師 沢田
知らない環境では動物も飼い主様も不安な気持ちになる事も多いと思います。そんな不安な気持ちに寄り添い、安心して帰ってもらえるような看護を目指しています。飼い主様と動物が幸せに暮らしていくためのベストな方法を、いっしょに考えていきたいと思っています。

関連記事

  1. はじめまして

  2. 動物の投薬難しいですよね…

  3. 犬猫の慢性腎臓病

  4. ハリネズミの歯周病と抜歯

  5. 滝を求めて

  6. 5周年記念イベントのご報告

最近の記事

PAGE TOP