フトアゴヒゲトカゲの骨髄炎

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天気もようやく春めいてきて、ついに手稲の桜も咲きましたね。
そして外出自粛の中、私たちポックル動物病院にはいつも通り病気の動物たちが沢山やってきます。
感染予防のため、お車でお待ち頂く形を取らせてもらっていますが、今後も診療を継続するため、皆様のご理解をお願いいたします。
※緊急性の低い、爪切りや健康診断などはできる限りご遠慮下さい。

今日は、フトアゴヒゲトカゲの竜之介くんをご紹介します。
左後肢が腫れており、元気が無いとのことで来院されました。確かに左足のかかと部分が腫れており、その部位を触ると痛いのか嫌がる様子も見られました。
レントゲン検査をしてみたところ、画像のように骨が一部溶けてしまっています。
血液検査やレントゲン検査、身体検査で、他には明らかな異常が見られなかったため、ここの部分が原因で調子が悪いのではないか?と考えました。

骨が溶けてしまうような病気は、①感染、②腫瘍、③関節炎などがあるのですが、
左後肢の腫れた部分を検査してみると、炎症細胞と細菌が見つかりました。
原因としては細菌感染が強く考えられるということですね。

抗生剤を追加し治療を続けたところ、竜之介くんの体調は劇的に改善!
飼い主さんにも大変喜んでもらっていたのですが、レントゲンを撮影してみると骨の吸収が進行しています。
今は抗生剤の力で体調を維持できていますが、どんどん進行してしまうと再び命の危険にさらされる可能性もあります。
飼い主さんとも相談に相談を重ね、完治をさせるために断脚を行う事に。

は虫類の骨髄炎は根治できずに感染部位の切断が必要になるケースも多いんです。

さてさて、トップ画像が手術後の竜之介くんの写真です。(手術の際の画像は右下です)
術後はさすがに調子を崩していましたが、しばらく経つと三本の足で元気に動き回ってくれるようになりました。bearded dragon anesthesia recover2

動物たちの中でも特には虫類はなかなか原因を突き止めるのが大変です。
しかし竜之介くんのように、一つ一つ検査・診断をつけていった結果、元気になってくれるのは本当に嬉しいもの。
コロナウイルスに負けないよう、目の前の動物を助けていきたいと思います。

この記事を書いた人

院長 伊村啓
院長 伊村啓
動物病院は、飼い主様と一緒に、大切な家族である動物たちの幸せを考え、不安や苦しみを解消する場です。検査もただ行えば良いという訳ではありませんので、必要な理由をきちんとご説明した上で進めていきます。筋道を立て、とにかく分かりやすく説明する事には特に力を入れています。

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