ハムスターの皮下腫瘤

春を感じつつ朝晩は寒いこの頃、まだまだこたつのお世話になっている獣医師の谷です。

今回は頸部皮下腫瘤を切除したハムスターちゃんを紹介したいと思います。
1歳10ヶ月のゴールデンハムスターちゃん、数日前に頸部にしこりを見つけたとのことで来院されました。大きさを測ってみると1.5cm×1.6cmほど。ハムスターちゃんの小さな体から考えると大きく感じます。

ハムスターは腫瘤が出来やすいと言われ、良性のものも悪性のものもあれば、腫瘍ではなく膿瘍であるような場合もあります。
病院では、中身がどのような細胞で構成されているかを調べるために、腫瘤に針を刺し、吸引して細胞を採取し、染色して顕微鏡で確認する、針生検という検査をおこないます。ただし、この検査で確定診断がつかないこともあり、そのような場合は外科的に切除したものを病理検査へ出します。
この子の場合、腫瘍を疑い、飼い主様も手術を希望されましたので1週間後に腫瘤切除の手術となりました。

※以下、手術画像が出てきます

ハムスターちゃんを鎮静の注射とガスの麻酔で寝かせます。
頸部の右寄りに見えるのが腫瘤です。
皮膚を鋏で切開し、レーザーメスを使用し腫瘤を少しずつ周りの組織から切り離していきます。
腫瘤が切除できたら皮下、皮内、皮膚をそれぞれ縫合し、終了です。
切除した腫瘤です。

その後傷のチェックのために数回通院していただきました。
術後は元気に過ごしてくれ、初めは傷口が少し開く様子もありましたがお薬を使いつつそこから感染が起こることはありませんでした。手術から約1ヶ月後には傷口もすっかり綺麗になり、治療終了となりました。
最後にはとっても可愛いお顔を撮らせてくれました!

日常の触れ合いの中で何かいつもと違う様子に気付いた際にはお気軽にご相談ください!

この記事を書いた人

獣医師 谷
ハムスターを飼っていたことから、エキゾチックアニマルの診療を行う獣医師になりたいと考えるようになりました。大学在学中にはすっかりモルモットの虜となり、現在は2匹のモルモットとともに暮らしています。
動物たちと飼い主様に寄り添う獣医師になれるよう、日々精進してまいります。

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