猫と暮らす②

こんにちは!謎のくしゃみがとまらない新岡です。最近は暑い日が続いたと思えば肌寒い日もあって、体調を崩しやすい気がします。23度くらいがずっと続けばいいのにな〜と毎年思ってしまいます!


前回の続きで、猫の飼育環境について「トイレ編」です。猫の受診理由で最多といわれるのが泌尿器疾患で、膀胱炎や腎臓病、尿石症などがありますが、猫にとって快適なトイレ環境をつくってあげることが大切です。


猫は砂のような材質のものを敷き詰めた場所があれば、犬のようにしつけをしなくてもその場所でしてくれる子がほとんどです。ですが、設置する場所や大きさ・個数など少し気をつけてあげないと、思わぬ排泄の失敗につながってしまうかもしれません。


まずは適切な設置場所です。

犬も猫も、本来巣穴から離れた場所で排泄します。そのため、寝床や食事する場所から離れたところにトイレを設置します。人通りが多かったり、騒がしいところ(テレビのそばなど)に置いてしまうと落ち着いて排泄できなくなってしまうため、静かな場所を選んであげましょう。


トイレの数は「猫の頭数分+1個」が理想です。猫は非常に綺麗好きな子が多く、排便と排尿を分けてしたがる子や、他の猫の排泄物のにおいを避ける子もいます。特に多頭飼いだと、トイレを並べて置くのも好ましくない場合があります。仲の良くない猫がいたときに、その子を避けようとしてトイレに近づけず不適切な場所で排泄してしまうことも考えられます。そういったときは、離れたところにもトイレを設置してあげられたらいいですよね。


トイレの大きさや形も様々なものがあります。大きさを決める基準は、猫の体長の1.5倍の大きさと言われています。

分かりやすい写真ではないですが…。体長は猫の胸からお尻までです。

ドーム型になっているタイプは、猫砂が飛び散りにくいかったり人目を避けられる利点がありますが、においが籠りやすかったり圧迫感があり猫が好まないこともあります。箱型のタイプも同様で、加えて出入りがしにくくなってしまうので注意が必要です。 

猫砂も鉱物、植物由来、シリカゲルなど様々な種類がありますよね。自然界の砂に近い鉱物性を好む猫が多いですが、砂のかけやすさなど猫によって好みがあるため色々と試してみるのも良いかもしれません。繰り返しますが猫はきれい好きなため排泄物が残ったままになっているとその場所では排泄しないということもあります。すぐに片付けられるのが理想ですが、少なくとも1日に1回は掃除しましょう。

ポックル動物病院で使用しているトイレと猫砂の一例です。お部屋の大きさに限りがあるので、トイレはお部屋の大きさに合わせた物になってしまっていますが、入りやすい形になっています。ちなみにペットホテルや入院時は自宅で使用しているトイレ砂を持参していただくと、猫にとって環境が変わらず安心できるのでおすすめです。


このように環境を整えていても排泄の失敗があり、避妊・去勢をまだしていない場合は「尿マーキング」の可能性があります。垂直面(柱や壁など)に立ったまま尿を噴射したり、特定の場所でしたりします。避妊・去勢手術をすると、雄で90%、雌で95%マーキングが解消されるという報告があるそうです。ただ、新しい動物や人が家族に加わったり、何らかの原因で家族が構ってくれない状況になったりと、猫が不安を感じてしまう出来事がきっかけになってマーキング行動が引き出される場合もあります。そうなると、その環境の改善が必要になってきます。


今までトイレできちんとできていたのに失敗を繰り返すようになってしまった場合は、病気などが影響しているかもしれません。そういった場合は、病院へご相談下さい!

この記事を書いた人

動物ケアスタッフ 新岡未結
動物ケアスタッフ 新岡未結
6年間ペットショップに勤めていましたが、動物看護に携わりたいと考えるようになり病院で働くことに。飼い主様の不安に寄り添い、少しでも安心して動物を預けていただけるよう努力していきます。

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